【4/1】しょうせつかいたよ!【4/1】
ねーみてみて!
ぼくね、はじめてしょうせつかいてみたの!
まだとちゅうなんだけど、がんばったからよんでよんで!
序章 ~会話~
二人の男が、校舎内にて話し合う。
「――を――に対して――るのはいか――うか?」
「ほほう、それはいい。では明日の午前10時に計画開始だ――!」
一回目 ~水着~
①先生方。
「それでは、私はこれで。」
小学一年三組の担任、木枯は、朝の会が終わった8時40分に、職員室に引き上げた。
ろうかを歩きながら、木枯はにやりと笑った。
「おお木枯先生。」
「おはようございます、校長。」
「さあ、こっちへ。」
校長にうながされ、木枯は校長室に入った。
「さて、そろそろ先生達が全員こちらへ来るだろう。君は『アレ』の準備を。」
「はい。では放送室に行ってます。」
「校長!どうしたんですか!?」
「おお、皆そろったか。では説明しよう。」
――これからするのは、『ハイグレ水着鬼ごっこ』というものじゃ――
「は、ハイグレぇ?なに言ってんすか?」
「まあ、そうなるじゃろうな。説明はこれからじゃ。」
校長はこう説明した。
①この鬼ごっこは、ルールはふやし鬼と同義である。
②鬼は、ハイレグ水着を着、『ハイグレ洗脳銃』を持つ。
③逃げる者を鬼はその銃でうつ。うたれた者は、ハイグレに目覚め、他の者をハイグレ姿にしていく。
④時間は5時間。逃げきった者にはほうびを与える。
⑤目的は、生徒の身体能力を調べ、向上させること。
「ということじゃ。」
「そ、そんな事させられません!」
「ほう、反抗するか。ならば――!」
と校長は、服を脱いだ。そこにあったのは、ピンクのハイレグに身を包んだ校長・タイシだった。
「な――!」
「さあ、先生方、まずはあなた方からだ――!」
と、タイシは銃を乱射した。
職員室は、奇みょうな姿と声に埋もれた――。
②開始〈AM8時50分〉
「――くそっ!古川先生が……!」
神宮寺は舌打った。そして立ち上がり、叫んだ。
「皆、この学校は危険だ!すぐに逃げ――」
『皆さん!おはようございます!』
その声は、そなえつけのテレビからした。
『これから、あるゲームのルールを説明します。』
「ねえ強?どうしたの?」
「古川先生から――通信が途絶えた。」
「え――それって――!」
「そう、何かしら、この学校に危険が迫っているんだ。」
神宮寺はとなりの席に座る、上田幸江からそう話しかけられた。
テレビは続く。
『そのゲームは……ハイグレ水着鬼ごっこ!』
とたんに学校中がドン引き、あるいは笑い出す。
『ルールを説明しましょう――。』
Side・真崎春子(中2-2)〈AM8:55〉
あたしは放送委員だ。今日の当番はこのあたし。大体、なんであたしが、こんなめんどーな事しなきゃいけないのよ!一時間目が始まるときに、放送室へ行ってチャイムの点検、だなんて、いやなのに……!
「優、もっと急いで!」
あたしはとなりにいるクラスメートでおなじ放送委員の須田優子に声をかける。
「う、うん!」
そうして放送室についたとき、中から、男の人の声がした。
ノックだけして、あたしがそこに入ると、木枯先生がいた。
「『ふふ、やはり来ましたね、まってました。』」
先生の前のマイクも、声を拾う。
でもそのよこに、カメラがある――。
「『皆さん、よく見ていて下さい。この銃を――。』」
皆さん、ということばに、あたしははっとした。そのカメラは、全校に映像を送っている!
優は先生にきく。
「先生、なんのことですか?!」
「『あなた達は見世物です。さあ、喰らえ!』」
先生はスーツの中からおもちゃの銃をとり出し、それをまず優子に向けた。
「え……なに……?」
次の瞬間、その銃から赤い閃光が迸った!
「きゃあああぁぁあぁぁ!!」
優子に命中したそれは、優子の体を包んだ。優子は大の字になる。
「優!」
「『ふふふ……!』」
するとどうだろう。
閃光が色を変え、青くなった。そしてそれがすぐに赤に戻ったとき――。
優子に異変が起きた。一瞬のことだったけど、何だか優子が水着を着ていたような……。
赤と青の点滅はつづく。そしてそれが晴れると、優子は制服を着ていない。かわりに着ているのは、黄緑一色の、腰まで切れ上がったハイレグの水着――。
「『皆さん、今のを見ましたか?この銃で撃たれると、このように男女問わずこの水着を着させられます。そして、このようになった人は、こうなります!』」
先生がいい終った瞬間、優子は目を開き、自分の異変を見た。信じられない、という顔をしたあと、両腕を震わしながら足の付け根、ハイレグの線にくっつける。
そしてなぜかガニ股となり――。
「ハ、ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!!」
と叫び出した。同時に腕を足の線の延長に引き上げ、戻し、また繰り返した。あたかもそれは、ビートたけしのコマネチのよう。
「優?!優子!」
あたしは優子に声をかける。だが優子は、こちらを向きさえしない。
「『今この子は、自分の中に入りこむハイグレ人間としての理性と戦っています。そしてそれに屈したとき――。』」
優子は今までよりもずっと大きく、
「ハイグレッ!!ハイグレッ!!ハイグレッ!!」
と叫んだ。手も大きく動いている。
「『この子はいま、その理性に負け、洗脳を受け入れました。これでハイグレ人間は誕生します。そしてそうなったハイグレ人間は、他の未転向者を襲い、仲間にしようとします。』」
優子がハイグレポーズをやめ、こちらを向いた。手にはすでに、先生と同じ銃――!
「ねえ、春子ちゃん……?春子ちゃんも、ハイグレ人間になろうよ?楽しいし、気持ちいいよ?」
優子はあたしに、その銃を向ける。
(あたしはいや。あんな切れ上がった水着をして、コマネチなんかできない!)
そんな心を知らずに、非情にも優子は引き金を引いた。
「いやああぁぁぁーーーーっ!!」
あたしは赤い閃光に当たった。途端に(ハイグレ)という言葉が脳内をかけめぐる!
赤と青の視界で、優子がまたハイグレポーズをとっている。
あたしは……そんなの受け入れない!
でも、その頭で分かっているが、体はそうはいかなかった。
ついた光が治った。身体の異和感に、下を見ると、私はとてもしめつけの強い赤いハイレグを着ていた。
「な……に……これ……っ!」
「それはハイグレ。春子ちゃんのこれからの姿――。」
優子がそう言う。でもあたしはこんなのすぐぬいでやる!
でも、足がガニ股になる。手を足のつけねにそえる。自分の意志ではないのに。そして――。
「ハイグレッ、ハイグレッ、ハイグレッ!」
あたしはさっきまで優子のやっていたポーズをとる。口もかってに動いて「ハイグレ」と言う。
(恥かしいっ!!)
でも、体はもう言う事を聞かない。
〈早くハイグレ人間になることを受け入れなさい……!〉
ふいにそんな声がきこえた気がした。
〈ハイグレ人間になれば、この苦しみから開放される。気持ちよくなるのよ……?〉
(いや、あたしは……!)
「ハイグレッ!!ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!!」
〈さあ……ハイグレに身をゆだねて――!〉
(もういや!苦しまないでいられるなら、あたしはハイグレ人間になる!)
そうして私はハイグレ人間を受け入れた。ユウコと同じ、ハイグレ人間・ハルコとなった。
「ハイグレッ!!ハイグレッ!!ハイグレッ!!」
「ふふ、ハルコもやっとハイグレ人間ね。ハイグレッ!ハイグレッ!」
「『どうですか!このすばらしい銃、すばらしいハイグレ!ということで、放送を終了させていただきます。最後に、このゲームは、AM10時開始です。AM10:05になるまで、教室から出てはいけません。5分間教室で待機です。その間に、学校中のいずれか2クラスに、この子たちが向かい、鬼にします。それでは、GOOD LUCK!』」
木枯先生は、通信を切った。そしてあたしたちに、あるクラスを耳打って、部屋から出た。
あたしは、ハイグレをして、先生を見送った。
Side・山田翔(小6-4)〈AM9:55〉
「チェッ!」
ゲームと聞いてテレビをずっと見ていたが、くだらない。
ハイグレなんてまっぴらだっとの。
でも……少し興味があるな……。
Side・上田幸江(高3-1)〈AM9:55〉
「ど、どうしよう強、始まっちゃうよ!」
私は強にそう言った。だけど、
「もうだめだ、どうにもならん。」
「そんな……。」
5時間もあったら、みんなやられちゃうよ……。
そして、AM10時。
チャイムが鳴った。
Side・矢口悠太(幼1-3)〈AM10〉
「始まっちゃった……。」
僕はそうつぶやいた。教室中は今、ハイグレのマネをする子がたくさんいる。浅内絵美ちゃんが、最初にやり始めたんだ。
「んもう。みんなやめようよ。はずかしいよ……。」
宮城楓ちゃんがそう言うけど、誰もきかない。ハイグレコールは、ろうかにもひびく。
すると、扉が開いた。そこにいたのは、黄緑のハイグレの中学生のお姉ちゃん。
「みんな、そんなにハイグレしたい?」
「うん!」「したい!」「オレにも撃ってぇ!」
ほとんどの皆がそういう。そうじゃなく、隅に逃げるのは、僕と楓ちゃんだけ。
「じゃ、みんな、いくよ? えい、えい、えい!」
「きゃあああっ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「うわあっっ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「やぁぁあんっ!ハイグレッ、ハイグレッ」
教室には、色とりどりのハイグレと、友達の声がする。そうして、希望者全員が、ハイグレ姿になってしまった。
「「「「ハイグレッ!!ハイグレッ!!ハイグレッ!!」」」」
「さて、残ったのはあなたたちだけね?」
「いや!わたしはいやよ!そんなのやだからうたないで!」
「そ、そうだ!僕もいやだ!」
二人でお姉ちゃんを説得する。だけど、
「いや、ね。でもね、これに撃たれると、そんな事、思わなくなるよ?」
「でもいやなの!」楓ちゃんは泣き出してしまった。
「うーん。しょうがない。まずは君からだよ!?」
お姉ちゃんは僕にそれを向け、うった!
「う、うわぁぁぁぁぁぁっ!!」
(ちくしょう……!こんなの着るのかよ……!)
「ハ、ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「悠くん……?悠くんまでハイグレに……!?」
ごめん……。でも、もうだめだ。ぼくも……ハイグレ人間になるよ……!
「ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレ!ほら、楓ちゃんもやろうよ!」
僕は――ハイグレ人間ユウタは、楓ちゃんにハイグレをすすめる。
ユウコお姉ちゃんが、いやがる楓ちゃんを、救ってあげた。
「きゃああっ!ハイグレ、ハイグレ、ハイグレェッ……!」
幼1-3、ハイグレ人間化終了。
Side・ユウタ(矢口悠太)〈AM10:04〉
ハイグレ人間になった皆と相談して、まずは隣のクラスをハイグレ化させることにした。
僕とエミ(浅内江美)とカエデ(宮城楓)とケント(桜井賢人)で、1-4を、他のみんなで、他のこのフロアを全て、となった。みんなの手にはハイグレ銃がある。
「よし、いくぞ!」
「「「ハイグレッ!」」」
ガラ、と扉を開けると、1-4のみんなが驚いた顔でこっちをみる。そこでカエデが説明。
「みんな聞いて?わたしたちは、神聖なハイグレ人間です。そんな服はぬいで、早くハイグレ姿になってね?」
「やるぞ!」
パシュッ!バシュッ!
「うわぁぁっ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「みんな、早く逃げ――あああっ!ハイグレッハイグレッ!」
「ハイグレッハイグレッ!」
「しっかりして!京ちゃ――きゃああ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「ヤ、ヤだよおっ!うわあああっっっ!!ハイグレッ!ハイグレッハイグレッハイグレ!」
ものの数十秒で、ほとんどの人達が、転向完了した。すでに何人かは洗脳もおわった。
最後に残ったのは内気で有名な田辺満。
「満、きみもハイグレしよう!?」
「え、わぁぁ。」
満は避けるそぶりもないままにハイグレを着た。ピンクは男にはめずらしい。
「ハイグレ。ハイグレ。ハイグレ。」
ミツルははずかしそうにひかえめにハイグレする。でも僕はそれを許さない。ミツルの後ろに回って、手をもってハイグレさせた。
「こうやるんだ!――ハイグレッハイグレッ!」
「ヒャッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
そしてミツルも、ハイグレのトリコとなり、ハイグレを繰り返した。
幼1-4、ハイグレ人間化終了。
――――
ごめんね、ここまでしかかけてないんだ……
でもどうだった? おもしろかったらいってね!
(※この記事は2018年4月1日に公開されたものです)
(ここからは2018年4月2日に公開されたものです)
久々の目次
・上の黒歴史について
・初心者(ハイグレ)小説書きにありがちなこと7選
・前回のアンケートについて
毎年相変わらず、期待を盛大に裏切りつつお見苦しいものを公開してしまい誠に申し訳ありません。
お久しぶりです、香取犬です。
一週間ほど前から新天地で新生活が始まり、慣れない暮らしに四苦八苦しつつ、小説を書くどころかパソコンも満足に開けない日々が続いております。
Wi-Fiすらも未開通なので、通信量にも気を遣わなくてはならず(この更新はスマホのテザリングを使っているくらいです)つらたんな毎日です。
もう少ししたらモバイルルーター契約するんじゃ……あとちょっとの辛抱なんじゃ……。
そんなわけで本題に戻りまして。
引っ越しのために身辺整理をしていたら、タンスの奥からこんな恐ろしい黒歴史ノートを発掘してしまったので、供養のために公開した次第であります。
手書きのきったない字だけどまあええやろ(汗

この小説は、以前ご紹介した最初期のハイグレ小説の更に過去作。香取犬にとって本当の本当に処女作となるハイグレ小説です。
いやーひどいものでしたね。
ひどいけど、(前回も書きましたが)やはり自分が書きたいものは初めから一貫しているということは再確認できました。
これを書いたのは、旧本家の小説板が現役で稼働していて、しかしまだあれほど作品数のなかった頃。恐らく2009年前後だと思います。以前の習作から更に2年ほど遡ります。
当時はまだ普通の小説すらも書いた経験がほぼなく、ましてやオタク知識も全くありませんでした(ぶっちゃけ投稿されていた小説も絵も元ネタわからんかった)。
それでも「ハイグレ小説を書きたい!」と思った当時の香取犬少年は――どれほど青天井のアホだったのでしょうか。
日本語も怪しいし、文章作法もままならず、何より字も見苦しい(今も汚いけど)。
だけど、手元のノートに登場人物と舞台設定を得意げに書き付け、描きたいシーンを目指してウキウキと妄想を形にしていく。
……それだけで、楽しかったんだと思います。
誰の目にも留まらなくても。誰の目にも晒したくなくても。純粋に、自分が書きたいから書いていたのでしょう。
眩しいなぁ……。
流石にもう、ノートは処分しました。
けれどそこに書かれたお話の断片だけは。どんな形であれ自分が創作の世界に一歩踏み出した瞬間があったことだけは、どうかここに著させてください。
さて、このままじゃ恥ずかしいままなので、自戒の意味も込めて「初心者(ハイグレ)小説書きにありがちなこと7選」でも書いて自尊心を保とうと思います。
1・設定だけ先走る
改善難易度★★
見苦しい度★★☆☆
端的に言えば、『登場する見通しが立っていないにも関わらず』登場人物を何十人も用意しておくことや、その作品独自の世界観や武器・能力を設定することです。
登場人物も独自設定も、物語上の必然性があるから作るものです。それを予定もないままに先に作っちゃうのは、実際の執筆中に扱いきれなくなる可能性が高いのでおすすめできません。
「どうだ俺の思いついたアイデアは面白いだろう」とグイグイ押し付けてもあまりいいことはありません。能ある鷹は爪を隠すを心掛けてみてください。
欲張らず、作品構築の初めに決めるのは、物語の主軸とそれに関わる重要な設定、及びメインキャラの数人くらいまでにしておくとよいでしょう。
なお、(無駄に多い)登場人物表や(無駄に長い)設定説明を作品冒頭に置いてしまうと、見苦しい度が★二つ上昇します。
自分のこのノートにも、2ページにわたって人物表と校舎見取り図がありましたが割愛しました。幼稚園から高校まで完備する大学園が舞台だそうです。
2・脈絡のない展開
改善難易度★★★
見苦しい度★★★
特に、先にどうしても書きたい展開があるときに気持ちが焦ると起こりやすいです。要するにご都合主義でストーリーを進めてしまうことです。
敵が突然アホになったり、味方が素晴らしいアイデアをひらめいたり、描写をキングクリムゾンしてしまったり。「これは演出なんだ!」とか作者が言い訳しているパターンが多いです(個人の見解です)。
対策としては目の前のシーンに真摯に向き合うこと、そして筋道をあらかじめ立てておくことでしょう。
3・設定や表記の矛盾
改善難易度★★★★
見苦しい度★☆☆☆☆
作者の中でしっかり設定を固めていないと、油断していると違うことを書いてしまうものです。
例えば舞台になっている場所などの名称のミス、キャラの一人称および三人称の呼称ミス、その人物には知るはずのない情報を語ってしまう(スパイなどの演出除く)、など。
読者に気付かれなければいいのですが、気付かれてしまうとその読者にとっては見苦しい度が跳ね上がってしまいます。
メモや設定表を活用したり、投稿前に穴があくほど確認をすることが必要です。誤字脱字等も。
もちろんいつまで経ってもミスはあり得るので、常に注意しなければなりません。
4・語彙のレパートリーの少なさ、文章力の低さ
改善難易度★★★★
見苦しい度★★
多くの人が「小説を書くなんて難しい」と思う主要因でしょう。
しかし意外と見苦しさは低めです。一般的な程度に日本語の文章が書けるならば、文章力についてはまず問題はありません。
それに、読みにくい文章しか書けなくとも、自信を持って投稿している人だってネットには一定数いますから。
そうは言っても心配は拭いきれないかもしれません。が、残念ながら特効薬はありません。ハイグレ小説はもちろん普通の小説などを読み、そして自分でも書いていくことで、国語力をゆっくり蓄えていくしかないです。
5・時々はっちゃける
改善難易度★
見苦しい度★★★★★
先述の拙作で言う「それでは、GOOD LUCK!」に感じるアイテテテ感がそれです。また、キャラや展開に似つかわしくない格好つけや、作者の陶酔感が地の文に滲み出してしまうこともままあります。
読んでいるこっちが恥ずかしくなるような痛い文章、見たことありませんか?
対策は簡単です。冷静になって下さい。はっちゃけて良いことは何一つありません、即やめましょう。
6・説明不足
改善難易度★★★
見苦しい度★★★
つまるところ、予備知識のない他人が読んでも理解してもらえるような説明が成せているか、です。
「これはハイグレ小説です。ハイグレが好きな人しか読みません」と割り切っているなら、「ハイグレとは何ぞや」という説明は要らないでしょう。
しかしそうではない場合はどうでしょう。思い出してほしいのは映画の後半の導入時、リリ子が何も知らない野原一家にハイグレ魔王について解説するシーンです。あのシーンは当然映画の観客に対しても、並行世界の現状を説明してくれたものです。
そのように、(例え読者が限定されているにせよ)意識的に一から説明することを取り入れると、キャラクターと読者の意識をよりリンクさせることができるでしょう。
――と、「ハイグレ」という大要素についてはともかく。
ハイグレ小説において、原作にないオリジナルの設定をしている作品は非常に多いです。作者・作品の数だけある多様性こそハイグレ小説の魅力ではありますが、だからこそ作者はしっかりと独自設定について読者に、懇切丁寧かつ読むのが苦にならない短い文章で説明する義務があります。
作者の頭の中では当然の知識でも、読者にとっては全くの未知であることを常々意識しましょう。小説はユーザビリティです。
7・完結させろ
改善難易度★★★★★
見苦しい度★★★★★
小説を書く経験値というものは、一作を最後まで書き上げて(+公開して?)、初めてゲットできるものです。文量の長短やどれだけ魂を込めたかによって経験値量は違いますが、十万字を超える大作であっても未完であればそれは0ポイントと同義です。
短編でいいからまずは完結させる。作品を世に公開した作者の最大の使命は、作品を最後まで仕上げることなのです。
(只今、自分に向けて盛大なブーメランを放っています)
以上をもっと短くまとめると、こうなります。
*読者がいることを意識する。
*書きたい内容は厳選する。
*とにかく書いてみる、そして完結させる。
小説を書いている方に何か一つでも引っかかってもらえたなら、してやったりです。
最後に、前回記事のアンケートについて。
途中経過から数えて丁度2倍、40票も集まりました。投票ありがとうございました!
そして気になる得票は……
途中までは「真ん中辺り」が押していたものの、ここまで来て同数ですか……
皆さんの嗜好がどこまで行ってもバラバラだということが、よく分かりました。
いち創作者として読者の傾向を掴みたいと思って始めたアンケートでしたが、これほど興味深く、厄介な結果になるとは想像していませんでした。
他の創作者の方々も是非参考にしてみて下さい。まあこの結果じゃできないだろうけど。
とりあえずここまででアンケートは一区切りとしますが、投票はこれからも出来るようにしておきます。
まだ投票していなかった方、追加案のある方は遠慮なくポチっていってください。
なるべくではありますが、寄せられたコメントには逐次返信もしていきたいと思います。
■一番最初
>>一番最初に洗脳されて人間にハイグレ姿を晒してしまう恥ずかしさが好きです
→「一番最初」の魅力は、やはりそれに尽きると思います。そう、周囲はまだ「人間」なんですよね。
一番恥ずかしい思いをすることになるのは、一番最初にハイグレ姿にされてしまった人に違いありません。
■二番最後
>>一番最後の人との関係や感情、そして二人間のコントラストが正直たまらないん(めちゃシコ)です。
→項目追加ありがとうございます。なるほど、最後から二番目のポジションということですね。盲点でしたが仰ることはよく分かります。
たった二人になるまで生き残った運命的な二人が、ハイグレによって引き裂かれるとき、そこに生じる思いはなんとも言えないものになるでしょう。
先にやられた方が、最後の一人となってしまったもう一人に抱く感情は、「私を置いて早く行って」なのか、「一人にしてしまってごめん」なのか、「後はあなたに託すよ」なのか、「あんたが先にやられればよかったのに」なのか、それとも……どんどん妄想が膨らみますね。
とまあ、そんな感じで。
ネット環境や、生活そのものが落ち着いたらまた更新&執筆をしていきます。
ではではー
ぼくね、はじめてしょうせつかいてみたの!
まだとちゅうなんだけど、がんばったからよんでよんで!
序章 ~会話~
二人の男が、校舎内にて話し合う。
「――を――に対して――るのはいか――うか?」
「ほほう、それはいい。では明日の午前10時に計画開始だ――!」
一回目 ~水着~
①先生方。
「それでは、私はこれで。」
小学一年三組の担任、木枯は、朝の会が終わった8時40分に、職員室に引き上げた。
ろうかを歩きながら、木枯はにやりと笑った。
「おお木枯先生。」
「おはようございます、校長。」
「さあ、こっちへ。」
校長にうながされ、木枯は校長室に入った。
「さて、そろそろ先生達が全員こちらへ来るだろう。君は『アレ』の準備を。」
「はい。では放送室に行ってます。」
「校長!どうしたんですか!?」
「おお、皆そろったか。では説明しよう。」
――これからするのは、『ハイグレ水着鬼ごっこ』というものじゃ――
「は、ハイグレぇ?なに言ってんすか?」
「まあ、そうなるじゃろうな。説明はこれからじゃ。」
校長はこう説明した。
①この鬼ごっこは、ルールはふやし鬼と同義である。
②鬼は、ハイレグ水着を着、『ハイグレ洗脳銃』を持つ。
③逃げる者を鬼はその銃でうつ。うたれた者は、ハイグレに目覚め、他の者をハイグレ姿にしていく。
④時間は5時間。逃げきった者にはほうびを与える。
⑤目的は、生徒の身体能力を調べ、向上させること。
「ということじゃ。」
「そ、そんな事させられません!」
「ほう、反抗するか。ならば――!」
と校長は、服を脱いだ。そこにあったのは、ピンクのハイレグに身を包んだ校長・タイシだった。
「な――!」
「さあ、先生方、まずはあなた方からだ――!」
と、タイシは銃を乱射した。
職員室は、奇みょうな姿と声に埋もれた――。
②開始〈AM8時50分〉
「――くそっ!古川先生が……!」
神宮寺は舌打った。そして立ち上がり、叫んだ。
「皆、この学校は危険だ!すぐに逃げ――」
『皆さん!おはようございます!』
その声は、そなえつけのテレビからした。
『これから、あるゲームのルールを説明します。』
「ねえ強?どうしたの?」
「古川先生から――通信が途絶えた。」
「え――それって――!」
「そう、何かしら、この学校に危険が迫っているんだ。」
神宮寺はとなりの席に座る、上田幸江からそう話しかけられた。
テレビは続く。
『そのゲームは……ハイグレ水着鬼ごっこ!』
とたんに学校中がドン引き、あるいは笑い出す。
『ルールを説明しましょう――。』
Side・真崎春子(中2-2)〈AM8:55〉
あたしは放送委員だ。今日の当番はこのあたし。大体、なんであたしが、こんなめんどーな事しなきゃいけないのよ!一時間目が始まるときに、放送室へ行ってチャイムの点検、だなんて、いやなのに……!
「優、もっと急いで!」
あたしはとなりにいるクラスメートでおなじ放送委員の須田優子に声をかける。
「う、うん!」
そうして放送室についたとき、中から、男の人の声がした。
ノックだけして、あたしがそこに入ると、木枯先生がいた。
「『ふふ、やはり来ましたね、まってました。』」
先生の前のマイクも、声を拾う。
でもそのよこに、カメラがある――。
「『皆さん、よく見ていて下さい。この銃を――。』」
皆さん、ということばに、あたしははっとした。そのカメラは、全校に映像を送っている!
優は先生にきく。
「先生、なんのことですか?!」
「『あなた達は見世物です。さあ、喰らえ!』」
先生はスーツの中からおもちゃの銃をとり出し、それをまず優子に向けた。
「え……なに……?」
次の瞬間、その銃から赤い閃光が迸った!
「きゃあああぁぁあぁぁ!!」
優子に命中したそれは、優子の体を包んだ。優子は大の字になる。
「優!」
「『ふふふ……!』」
するとどうだろう。
閃光が色を変え、青くなった。そしてそれがすぐに赤に戻ったとき――。
優子に異変が起きた。一瞬のことだったけど、何だか優子が水着を着ていたような……。
赤と青の点滅はつづく。そしてそれが晴れると、優子は制服を着ていない。かわりに着ているのは、黄緑一色の、腰まで切れ上がったハイレグの水着――。
「『皆さん、今のを見ましたか?この銃で撃たれると、このように男女問わずこの水着を着させられます。そして、このようになった人は、こうなります!』」
先生がいい終った瞬間、優子は目を開き、自分の異変を見た。信じられない、という顔をしたあと、両腕を震わしながら足の付け根、ハイレグの線にくっつける。
そしてなぜかガニ股となり――。
「ハ、ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!!」
と叫び出した。同時に腕を足の線の延長に引き上げ、戻し、また繰り返した。あたかもそれは、ビートたけしのコマネチのよう。
「優?!優子!」
あたしは優子に声をかける。だが優子は、こちらを向きさえしない。
「『今この子は、自分の中に入りこむハイグレ人間としての理性と戦っています。そしてそれに屈したとき――。』」
優子は今までよりもずっと大きく、
「ハイグレッ!!ハイグレッ!!ハイグレッ!!」
と叫んだ。手も大きく動いている。
「『この子はいま、その理性に負け、洗脳を受け入れました。これでハイグレ人間は誕生します。そしてそうなったハイグレ人間は、他の未転向者を襲い、仲間にしようとします。』」
優子がハイグレポーズをやめ、こちらを向いた。手にはすでに、先生と同じ銃――!
「ねえ、春子ちゃん……?春子ちゃんも、ハイグレ人間になろうよ?楽しいし、気持ちいいよ?」
優子はあたしに、その銃を向ける。
(あたしはいや。あんな切れ上がった水着をして、コマネチなんかできない!)
そんな心を知らずに、非情にも優子は引き金を引いた。
「いやああぁぁぁーーーーっ!!」
あたしは赤い閃光に当たった。途端に(ハイグレ)という言葉が脳内をかけめぐる!
赤と青の視界で、優子がまたハイグレポーズをとっている。
あたしは……そんなの受け入れない!
でも、その頭で分かっているが、体はそうはいかなかった。
ついた光が治った。身体の異和感に、下を見ると、私はとてもしめつけの強い赤いハイレグを着ていた。
「な……に……これ……っ!」
「それはハイグレ。春子ちゃんのこれからの姿――。」
優子がそう言う。でもあたしはこんなのすぐぬいでやる!
でも、足がガニ股になる。手を足のつけねにそえる。自分の意志ではないのに。そして――。
「ハイグレッ、ハイグレッ、ハイグレッ!」
あたしはさっきまで優子のやっていたポーズをとる。口もかってに動いて「ハイグレ」と言う。
(恥かしいっ!!)
でも、体はもう言う事を聞かない。
〈早くハイグレ人間になることを受け入れなさい……!〉
ふいにそんな声がきこえた気がした。
〈ハイグレ人間になれば、この苦しみから開放される。気持ちよくなるのよ……?〉
(いや、あたしは……!)
「ハイグレッ!!ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!!」
〈さあ……ハイグレに身をゆだねて――!〉
(もういや!苦しまないでいられるなら、あたしはハイグレ人間になる!)
そうして私はハイグレ人間を受け入れた。ユウコと同じ、ハイグレ人間・ハルコとなった。
「ハイグレッ!!ハイグレッ!!ハイグレッ!!」
「ふふ、ハルコもやっとハイグレ人間ね。ハイグレッ!ハイグレッ!」
「『どうですか!このすばらしい銃、すばらしいハイグレ!ということで、放送を終了させていただきます。最後に、このゲームは、AM10時開始です。AM10:05になるまで、教室から出てはいけません。5分間教室で待機です。その間に、学校中のいずれか2クラスに、この子たちが向かい、鬼にします。それでは、GOOD LUCK!』」
木枯先生は、通信を切った。そしてあたしたちに、あるクラスを耳打って、部屋から出た。
あたしは、ハイグレをして、先生を見送った。
Side・山田翔(小6-4)〈AM9:55〉
「チェッ!」
ゲームと聞いてテレビをずっと見ていたが、くだらない。
ハイグレなんてまっぴらだっとの。
でも……少し興味があるな……。
Side・上田幸江(高3-1)〈AM9:55〉
「ど、どうしよう強、始まっちゃうよ!」
私は強にそう言った。だけど、
「もうだめだ、どうにもならん。」
「そんな……。」
5時間もあったら、みんなやられちゃうよ……。
そして、AM10時。
チャイムが鳴った。
Side・矢口悠太(幼1-3)〈AM10〉
「始まっちゃった……。」
僕はそうつぶやいた。教室中は今、ハイグレのマネをする子がたくさんいる。浅内絵美ちゃんが、最初にやり始めたんだ。
「んもう。みんなやめようよ。はずかしいよ……。」
宮城楓ちゃんがそう言うけど、誰もきかない。ハイグレコールは、ろうかにもひびく。
すると、扉が開いた。そこにいたのは、黄緑のハイグレの中学生のお姉ちゃん。
「みんな、そんなにハイグレしたい?」
「うん!」「したい!」「オレにも撃ってぇ!」
ほとんどの皆がそういう。そうじゃなく、隅に逃げるのは、僕と楓ちゃんだけ。
「じゃ、みんな、いくよ? えい、えい、えい!」
「きゃあああっ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「うわあっっ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「やぁぁあんっ!ハイグレッ、ハイグレッ」
教室には、色とりどりのハイグレと、友達の声がする。そうして、希望者全員が、ハイグレ姿になってしまった。
「「「「ハイグレッ!!ハイグレッ!!ハイグレッ!!」」」」
「さて、残ったのはあなたたちだけね?」
「いや!わたしはいやよ!そんなのやだからうたないで!」
「そ、そうだ!僕もいやだ!」
二人でお姉ちゃんを説得する。だけど、
「いや、ね。でもね、これに撃たれると、そんな事、思わなくなるよ?」
「でもいやなの!」楓ちゃんは泣き出してしまった。
「うーん。しょうがない。まずは君からだよ!?」
お姉ちゃんは僕にそれを向け、うった!
「う、うわぁぁぁぁぁぁっ!!」
(ちくしょう……!こんなの着るのかよ……!)
「ハ、ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「悠くん……?悠くんまでハイグレに……!?」
ごめん……。でも、もうだめだ。ぼくも……ハイグレ人間になるよ……!
「ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレ!ほら、楓ちゃんもやろうよ!」
僕は――ハイグレ人間ユウタは、楓ちゃんにハイグレをすすめる。
ユウコお姉ちゃんが、いやがる楓ちゃんを、救ってあげた。
「きゃああっ!ハイグレ、ハイグレ、ハイグレェッ……!」
幼1-3、ハイグレ人間化終了。
Side・ユウタ(矢口悠太)〈AM10:04〉
ハイグレ人間になった皆と相談して、まずは隣のクラスをハイグレ化させることにした。
僕とエミ(浅内江美)とカエデ(宮城楓)とケント(桜井賢人)で、1-4を、他のみんなで、他のこのフロアを全て、となった。みんなの手にはハイグレ銃がある。
「よし、いくぞ!」
「「「ハイグレッ!」」」
ガラ、と扉を開けると、1-4のみんなが驚いた顔でこっちをみる。そこでカエデが説明。
「みんな聞いて?わたしたちは、神聖なハイグレ人間です。そんな服はぬいで、早くハイグレ姿になってね?」
「やるぞ!」
パシュッ!バシュッ!
「うわぁぁっ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「みんな、早く逃げ――あああっ!ハイグレッハイグレッ!」
「ハイグレッハイグレッ!」
「しっかりして!京ちゃ――きゃああ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「ヤ、ヤだよおっ!うわあああっっっ!!ハイグレッ!ハイグレッハイグレッハイグレ!」
ものの数十秒で、ほとんどの人達が、転向完了した。すでに何人かは洗脳もおわった。
最後に残ったのは内気で有名な田辺満。
「満、きみもハイグレしよう!?」
「え、わぁぁ。」
満は避けるそぶりもないままにハイグレを着た。ピンクは男にはめずらしい。
「ハイグレ。ハイグレ。ハイグレ。」
ミツルははずかしそうにひかえめにハイグレする。でも僕はそれを許さない。ミツルの後ろに回って、手をもってハイグレさせた。
「こうやるんだ!――ハイグレッハイグレッ!」
「ヒャッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
そしてミツルも、ハイグレのトリコとなり、ハイグレを繰り返した。
幼1-4、ハイグレ人間化終了。
――――
ごめんね、ここまでしかかけてないんだ……
でもどうだった? おもしろかったらいってね!
(※この記事は2018年4月1日に公開されたものです)
(ここからは2018年4月2日に公開されたものです)
久々の目次
・上の黒歴史について
・初心者(ハイグレ)小説書きにありがちなこと7選
・前回のアンケートについて
毎年相変わらず、期待を盛大に裏切りつつお見苦しいものを公開してしまい誠に申し訳ありません。
お久しぶりです、香取犬です。
一週間ほど前から新天地で新生活が始まり、慣れない暮らしに四苦八苦しつつ、小説を書くどころかパソコンも満足に開けない日々が続いております。
Wi-Fiすらも未開通なので、通信量にも気を遣わなくてはならず(この更新はスマホのテザリングを使っているくらいです)つらたんな毎日です。
もう少ししたらモバイルルーター契約するんじゃ……あとちょっとの辛抱なんじゃ……。
そんなわけで本題に戻りまして。
引っ越しのために身辺整理をしていたら、タンスの奥からこんな恐ろしい黒歴史ノートを発掘してしまったので、供養のために公開した次第であります。
手書きのきったない字だけどまあええやろ(汗

この小説は、以前ご紹介した最初期のハイグレ小説の更に過去作。香取犬にとって本当の本当に処女作となるハイグレ小説です。
いやーひどいものでしたね。
ひどいけど、(前回も書きましたが)やはり自分が書きたいものは初めから一貫しているということは再確認できました。
これを書いたのは、旧本家の小説板が現役で稼働していて、しかしまだあれほど作品数のなかった頃。恐らく2009年前後だと思います。以前の習作から更に2年ほど遡ります。
当時はまだ普通の小説すらも書いた経験がほぼなく、ましてやオタク知識も全くありませんでした(ぶっちゃけ投稿されていた小説も絵も元ネタわからんかった)。
それでも「ハイグレ小説を書きたい!」と思った当時の香取犬少年は――どれほど青天井のアホだったのでしょうか。
日本語も怪しいし、文章作法もままならず、何より字も見苦しい(今も汚いけど)。
だけど、手元のノートに登場人物と舞台設定を得意げに書き付け、描きたいシーンを目指してウキウキと妄想を形にしていく。
……それだけで、楽しかったんだと思います。
誰の目にも留まらなくても。誰の目にも晒したくなくても。純粋に、自分が書きたいから書いていたのでしょう。
眩しいなぁ……。
流石にもう、ノートは処分しました。
けれどそこに書かれたお話の断片だけは。どんな形であれ自分が創作の世界に一歩踏み出した瞬間があったことだけは、どうかここに著させてください。
さて、このままじゃ恥ずかしいままなので、自戒の意味も込めて「初心者(ハイグレ)小説書きにありがちなこと7選」でも書いて自尊心を保とうと思います。
1・設定だけ先走る
改善難易度★★
見苦しい度★★☆☆
端的に言えば、『登場する見通しが立っていないにも関わらず』登場人物を何十人も用意しておくことや、その作品独自の世界観や武器・能力を設定することです。
登場人物も独自設定も、物語上の必然性があるから作るものです。それを予定もないままに先に作っちゃうのは、実際の執筆中に扱いきれなくなる可能性が高いのでおすすめできません。
「どうだ俺の思いついたアイデアは面白いだろう」とグイグイ押し付けてもあまりいいことはありません。能ある鷹は爪を隠すを心掛けてみてください。
欲張らず、作品構築の初めに決めるのは、物語の主軸とそれに関わる重要な設定、及びメインキャラの数人くらいまでにしておくとよいでしょう。
なお、(無駄に多い)登場人物表や(無駄に長い)設定説明を作品冒頭に置いてしまうと、見苦しい度が★二つ上昇します。
自分のこのノートにも、2ページにわたって人物表と校舎見取り図がありましたが割愛しました。幼稚園から高校まで完備する大学園が舞台だそうです。
2・脈絡のない展開
改善難易度★★★
見苦しい度★★★
特に、先にどうしても書きたい展開があるときに気持ちが焦ると起こりやすいです。要するにご都合主義でストーリーを進めてしまうことです。
敵が突然アホになったり、味方が素晴らしいアイデアをひらめいたり、描写をキングクリムゾンしてしまったり。「これは演出なんだ!」とか作者が言い訳しているパターンが多いです(個人の見解です)。
対策としては目の前のシーンに真摯に向き合うこと、そして筋道をあらかじめ立てておくことでしょう。
3・設定や表記の矛盾
改善難易度★★★★
見苦しい度★☆☆☆☆
作者の中でしっかり設定を固めていないと、油断していると違うことを書いてしまうものです。
例えば舞台になっている場所などの名称のミス、キャラの一人称および三人称の呼称ミス、その人物には知るはずのない情報を語ってしまう(スパイなどの演出除く)、など。
読者に気付かれなければいいのですが、気付かれてしまうとその読者にとっては見苦しい度が跳ね上がってしまいます。
メモや設定表を活用したり、投稿前に穴があくほど確認をすることが必要です。誤字脱字等も。
もちろんいつまで経ってもミスはあり得るので、常に注意しなければなりません。
4・語彙のレパートリーの少なさ、文章力の低さ
改善難易度★★★★
見苦しい度★★
多くの人が「小説を書くなんて難しい」と思う主要因でしょう。
しかし意外と見苦しさは低めです。一般的な程度に日本語の文章が書けるならば、文章力についてはまず問題はありません。
それに、読みにくい文章しか書けなくとも、自信を持って投稿している人だってネットには一定数いますから。
そうは言っても心配は拭いきれないかもしれません。が、残念ながら特効薬はありません。ハイグレ小説はもちろん普通の小説などを読み、そして自分でも書いていくことで、国語力をゆっくり蓄えていくしかないです。
5・時々はっちゃける
改善難易度★
見苦しい度★★★★★
先述の拙作で言う「それでは、GOOD LUCK!」に感じるアイテテテ感がそれです。また、キャラや展開に似つかわしくない格好つけや、作者の陶酔感が地の文に滲み出してしまうこともままあります。
読んでいるこっちが恥ずかしくなるような痛い文章、見たことありませんか?
対策は簡単です。冷静になって下さい。はっちゃけて良いことは何一つありません、即やめましょう。
6・説明不足
改善難易度★★★
見苦しい度★★★
つまるところ、予備知識のない他人が読んでも理解してもらえるような説明が成せているか、です。
「これはハイグレ小説です。ハイグレが好きな人しか読みません」と割り切っているなら、「ハイグレとは何ぞや」という説明は要らないでしょう。
しかしそうではない場合はどうでしょう。思い出してほしいのは映画の後半の導入時、リリ子が何も知らない野原一家にハイグレ魔王について解説するシーンです。あのシーンは当然映画の観客に対しても、並行世界の現状を説明してくれたものです。
そのように、(例え読者が限定されているにせよ)意識的に一から説明することを取り入れると、キャラクターと読者の意識をよりリンクさせることができるでしょう。
――と、「ハイグレ」という大要素についてはともかく。
ハイグレ小説において、原作にないオリジナルの設定をしている作品は非常に多いです。作者・作品の数だけある多様性こそハイグレ小説の魅力ではありますが、だからこそ作者はしっかりと独自設定について読者に、懇切丁寧かつ読むのが苦にならない短い文章で説明する義務があります。
作者の頭の中では当然の知識でも、読者にとっては全くの未知であることを常々意識しましょう。小説はユーザビリティです。
7・完結させろ
改善難易度★★★★★
見苦しい度★★★★★
小説を書く経験値というものは、一作を最後まで書き上げて(+公開して?)、初めてゲットできるものです。文量の長短やどれだけ魂を込めたかによって経験値量は違いますが、十万字を超える大作であっても未完であればそれは0ポイントと同義です。
短編でいいからまずは完結させる。作品を世に公開した作者の最大の使命は、作品を最後まで仕上げることなのです。
(只今、自分に向けて盛大なブーメランを放っています)
以上をもっと短くまとめると、こうなります。
*読者がいることを意識する。
*書きたい内容は厳選する。
*とにかく書いてみる、そして完結させる。
小説を書いている方に何か一つでも引っかかってもらえたなら、してやったりです。
最後に、前回記事のアンケートについて。
途中経過から数えて丁度2倍、40票も集まりました。投票ありがとうございました!
そして気になる得票は……
一番最初
14票/35.0%
真ん中辺り
14票/35.0%
一番最後
11票/27.5%
二番最後
1票/2.5%
途中までは「真ん中辺り」が押していたものの、ここまで来て同数ですか……
皆さんの嗜好がどこまで行ってもバラバラだということが、よく分かりました。
いち創作者として読者の傾向を掴みたいと思って始めたアンケートでしたが、これほど興味深く、厄介な結果になるとは想像していませんでした。
他の創作者の方々も是非参考にしてみて下さい。まあこの結果じゃできないだろうけど。
とりあえずここまででアンケートは一区切りとしますが、投票はこれからも出来るようにしておきます。
まだ投票していなかった方、追加案のある方は遠慮なくポチっていってください。
なるべくではありますが、寄せられたコメントには逐次返信もしていきたいと思います。
■一番最初
>>一番最初に洗脳されて人間にハイグレ姿を晒してしまう恥ずかしさが好きです
→「一番最初」の魅力は、やはりそれに尽きると思います。そう、周囲はまだ「人間」なんですよね。
一番恥ずかしい思いをすることになるのは、一番最初にハイグレ姿にされてしまった人に違いありません。
■二番最後
>>一番最後の人との関係や感情、そして二人間のコントラストが正直たまらないん(めちゃシコ)です。
→項目追加ありがとうございます。なるほど、最後から二番目のポジションということですね。盲点でしたが仰ることはよく分かります。
たった二人になるまで生き残った運命的な二人が、ハイグレによって引き裂かれるとき、そこに生じる思いはなんとも言えないものになるでしょう。
先にやられた方が、最後の一人となってしまったもう一人に抱く感情は、「私を置いて早く行って」なのか、「一人にしてしまってごめん」なのか、「後はあなたに託すよ」なのか、「あんたが先にやられればよかったのに」なのか、それとも……どんどん妄想が膨らみますね。
とまあ、そんな感じで。
ネット環境や、生活そのものが落ち着いたらまた更新&執筆をしていきます。
ではではー
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Re: 失礼します
お問い合わせありがとうございます。
アップローダーからのファイルのDLと開き方について、とのことですが、
コメントを読ませていただいた限りでは、パスワードはご存知のようですし、お手元の端末にDLまでは完了されているように思います。
元々当ブログが利用しているアップローダーは、PC環境での閲覧や保存を想定しています。端末がPCであれば、DLしたファイルをエクスプローラなどから(zipであれば展開して)開いていただければご覧になれます。
ですが、「次の方法で開く」という文言から察するに、iPhoneなどのスマホでDLされていませんでしょうか?
だとするとブラウザからDLしたファイルを別のフォルダ系アプリ(iOS11やAndroidなら標準搭載されていると思います。無ければzip展開機能の付いたアプリをDLしてください)で保存し、開かなければならないと思います。端末によって方法が異なるので詳しくはご自身でお調べください。
とは言え仮にスマホで開けても、アップローダーに上げているファイルの多くは、一部のテキストを除いてPCで開くことを想定したファイル(ゲームなど)です。スマホ上での動作の保証は致しかねますので、ご了承ください。
以上、お答えになっていれば幸いです。
アップローダーからのファイルのDLと開き方について、とのことですが、
コメントを読ませていただいた限りでは、パスワードはご存知のようですし、お手元の端末にDLまでは完了されているように思います。
元々当ブログが利用しているアップローダーは、PC環境での閲覧や保存を想定しています。端末がPCであれば、DLしたファイルをエクスプローラなどから(zipであれば展開して)開いていただければご覧になれます。
ですが、「次の方法で開く」という文言から察するに、iPhoneなどのスマホでDLされていませんでしょうか?
だとするとブラウザからDLしたファイルを別のフォルダ系アプリ(iOS11やAndroidなら標準搭載されていると思います。無ければzip展開機能の付いたアプリをDLしてください)で保存し、開かなければならないと思います。端末によって方法が異なるので詳しくはご自身でお調べください。
とは言え仮にスマホで開けても、アップローダーに上げているファイルの多くは、一部のテキストを除いてPCで開くことを想定したファイル(ゲームなど)です。スマホ上での動作の保証は致しかねますので、ご了承ください。
以上、お答えになっていれば幸いです。