【オリ単発】No.4 田舎に迫るハイグレの魔の手

どうも、香取犬です
 
まだ書けてません申し訳ない、と繰り返してばかりで早数ヶ月。こんな体たらくだと、そろそろ恐ろしい人が「早う書かんのならその要らん指で落とし前付けちゃるけんのぉ」とかやって来て指を詰められてしまいそうです。しかし指だけは、指だけは勘弁していただきたい……!
詫び石とか詫び課金って言葉がありますが、小説書きとしてのケジメはやはり「詫び小説」かなと思います。十分程度でストーリーを考えたオリジナル短編ですが、どうかこれで今しばらく猶予をいただきたく……!

タイトルに田舎と付けたのに田舎要素薄いとはこれいかに

あとがきはこちらから
続きは↓から



「ねえ皆、本当にハイグレ魔王軍って来てると思う?」
 私――高島梢はふと、最近ニュースを賑わわせている謎の宇宙人についての話題を、一緒に夏期講習から帰っている四人の友人に振ってみた。
 高校三年生の夏休み、と言えば今の私たちの現状が伝わるだろうか。一学期の定期試験も終わって「受験の夏かぁ」とうんざりしているところに突然現れた宇宙からの来訪者、ハイグレ魔王。この一週間東京の方は大変らしいけど、私たちの住む田舎はパニックとは全く無縁で。宇宙人の存在も、それにやられたハイグレ人間という存在も、まだ現実感が掴めずにいた。それは私だけでなく学校もそう。受験生は強制的に、毎日三時間の夏期講習を受けさせられているのだった。
 最初に口を開いたのは小柄な小平朝日。ツインテールを揺らし、好奇心いっぱいの口調で答える。
「来てるかは分かんねーけどさ、あたしは来ててほしいなって思ってるよ」
「な、何で……? 怖い宇宙人なんだよ? せ、洗脳……されちゃうんだよ?」
 おずおずと、畠山花子が訊ねる。心配症で恥ずかしがり屋なのはいつものことだけど、今は一層不安げだった。長い髪の毛の先が小刻みに震えている。
「ビームにやられなきゃいいんだろ? 逆に捕まえてさ、宇宙のこといっぱい聞いてみたいじゃん! 他にも宇宙人はいるのか、とかさ!」
「うーん、さすがに無理じゃないかなぁ」
「そうよ。それが出来ないから東京が壊滅状態になってるって言うのに」
 三宅真央と金澤麗香に連続で水を差され、朝日はしょぼんと落ち込んでしまった。
 真央は普段からおっとりしていて笑顔を絶やさない子。お菓子作りが得意で、あとすごい巨乳。
 対して麗香は生真面目で、私たち五人の中ではお姉さん的存在。だけどかなりまな板。
 麗香はため息をつき、最初の私の質問に話題を戻してくれた。
「私は正直、テレビも新聞も全部疑ってる。宇宙人とか、ハイグレ人間とか、現実にありえるはずないじゃない」
「じゃあネットは?」
「朝日、私がスマホもパソコンも持ってないこと分かってて言ってるのよね?」
 いひひ、と笑った朝日が麗香にデコピンを受ける。五人中、常にスマホを持ち歩いているのは私と朝日だけだ。――あ、田んぼの中にニョ□モが。とりあえずゲットしとこう。
 花子が「でも」と涙目で麗香に言う。
「わたしの、東京の同い年の従姉妹が……今まで毎日『大丈夫』ってメールくれてたのに、昨日パソコン見たら……『花子もハイグレ人間になろう』って……」
 言い切ると花子の目の堤防は決壊し、しくしくと泣き出してしまった。慌てて真央がその胸に花子を抱きしめ、慰めてあげる。
 それを見て麗香は「ごめん」と謝り、そして私と朝日も呆然と立ち尽くすしかなかった。すると真央がこう提案した。
「そうだ、みんな。お菓子でも食べて気分転換しようよっ! 家にケーキの材料買ってあるから、みんなで食べよ? ね?」
「やった! 真央のケーキ!」
 朝日がはしゃぐ。いつもなら「お菓子ばかりじゃなく勉強を」と言う麗香も、今日は負い目を感じたのか反対をしなかった。
 しかし私はお母さんに、帰りがけに買い物を頼まれていたのだった。
「ごめん、先に真央の家行ってて。買い物してこなきゃいけなくて」
「……わたしも、ママが心配してるから、一度帰ってそれから行くね」
 続けて花子が、赤くなった顔を上げてそう言った。真央は花子を解放する。
「いいよー。それじゃあケーキ作って待ってるね。二人とも、絶対来てね」

 こうして少し先の分かれ道で、私たちは三人と二人に別れた。真央の家はそこからすぐだけど、私と花子の家はもうしばらく歩く。
 でも、別れてから三分と経たず、私のスマホにメッセージが届いた。
『朝日:やばい』
 私は首を傾げる。いい意味でやばいのか、悪い意味でやばいのかはっきりしてほしい。
「どうしたの?」
 と花子もスマホの画面を覗き込む。そこに更にもう一通、通知が来た。
『朝日:たすけて』
 ……悪い意味の方だ。
 あの楽観的な朝日が助けを求めてくるなんて、本当に何かあったに違いない。私は居ても立ってもいられず、来た道を引き返した。
「梢っ!?」
「花子は来ちゃダメ!」
 花子にこれ以上ショックを受けさせるわけにはいかないと、そう叫ぶ。野生動物か、泥棒か、それとも別の何かか……とにかく急いで行かないと。

 遠目にも目立つ大きな一軒家が真央の家。真央以外の家族は日中いないため、私たちの溜まり場になっていたのだった。
 扉の向こうから、何やら大声が漏れ聞こえている。私は意を決し、ドアノブを捻った。
 そして私の目に飛び込んできた玄関には――
「こ、梢ぇ……っ!」
 すっかり怯えきった瞳の中に私を映し、ほんの僅かに安堵した朝日と、
「あれ? もう来たのかな?」
 オレンジ色のハイレグ水着姿で、しかしいつもと変わらない笑顔のまま朝日におもちゃの銃を向けている真央と、
「ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ!」
 ニュースで見た通りの、虚ろな目で一心不乱にポーズを繰り返す紫色のハイグレ人間となってしまった、麗香がいた。
「み、みんな……どうなってるの、これ……」
 私は絶句する。これが、つい数分前別れた三人とはとても思えなかった。状況が全く飲み込めず、身体がガチガチに固まってしまう。
 すると、朝日が弾かれたように叫ぶ。
「梢逃げろ! このままじゃ梢まで――うわああああああああああ!」
 朝日はサイケデリックな赤と青の光に包まれ、大の字になり苦しげに悲鳴を上げた。その中で朝日の制服が、徐々に別の形に変化していくのが分かる。光がやんだとき朝日は他の二人と同じ形の、黄色いハイレグ姿に変えられてしまっていた。
「朝日。梢がせっかく来てくれたのに、逃げろなんて言わないで」
 笑みを浮かべたまま、そう吐き捨てる真央。その手の銃から発射された光が、朝日をこうしたのを見た。
「……もしかして、真央が……?」
「うん。わたしが二人をハイグレ人間にしてあげたの。わたし、ほんとはとっくにハイグレ人間だったんだよ。ハイグレっ!」
 真央の、はしたなく大股を広げたハイグレポーズ。艶めくオレンジの生地に包まれた胸も、ぷるんと揺れる。
「ハイグレッ! ハイグレッ! ハイグレッ!」
「く、うぅ……ハイ、グレ……ハイグレ……!」
 そんな真央の両隣で、麗香と朝日がハイグレをしている。必死で抵抗している朝日はともかく、しっかり者の麗香がこんな恥ずかしい動きをするなんて、今までのイメージが音を立てて崩れてしまいそうだ。
 真央がいたずらっぽく笑いながら、麗香に尋ねる。
「ねぇ麗香。ハイグレ人間になった気持ちはどう?」
「ハイグレッ! こんなに気持ちいいことがこの世にあるなんて……! もう私、ハイグレなしじゃ生きていけない! ハイグレ魔王さま万歳! ハイグレッ! ハイグレッ!」
「麗香……」
 ハイグレ人間として洗脳されると、平気でこんなことを言うようになってしまうのか。その思いは私だけじゃなく朝日も同じだったようで。
「あ、あたしも、ハイグレ! こ、こうなっちゃうのか……? くそ、嫌だ、嫌だよぉ……ハイグレ! あぁぁ……っ! ハイグレ!」
 横目で麗香の惨状を目の当たりにし、泣きながら股間のV字を両腕でなぞり上げる。
 私だって当然、こんなのお断りだ。早くここから逃げて、駐在所とかに助けを求めないと――。
 逃げ出すために一歩後退したその後ろで、ガチャリと扉が開いた。次の瞬間、私は両腕を固く掴まれて身動きが取れなくなった。
「なっ!?」
「梢、まだハイグレ人間にしてもらってなかったの? かわいそう……」
 そう言って私を捕らえたのは、紛れもなく花子だった。でもその体には、真っ白なハイレグがぴちりと張り付いている。
「どうして花子まで……!?」
「梢が行ったあとね、わたし、パンスト兵さまにハイグレ光線撃たれちゃったの。最初は恥ずかしかったけど、ハイグレしたらすっごく気持ちよくて。それでみんなと一緒にハイグレしたくて来たんだけど……」
「急いで来てくれたのにごめんね、花子。すぐ梢もハイグレ人間にしちゃうからねっ」
 と、私に一歩一歩近づいてくる真央。その笑顔が逆に恐怖を誘う。
「やめて、来ないで……! 私を、ハイグレ人間にしないで……っ!」
 首を振って何度も懇願するけれど、状況は何も変わらない。あまりの心細さに、この場で唯一の味方だろう朝日に視線を向ける。だけど。
「ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ! あははっ! ハイグレ魔王さまに地球人が勝てるはずなかったんだ! あたしたちはハイグレ人間になって、魔王さまに忠誠を誓うだけの存在だったんだ! ハイグレ! ハイグレ!」
 もうそこに、私の知る朝日はいなかった。私は、一人ぼっちだった。
「そんな……もう、嫌……」
 カチャリと、眉間に光線銃の銃口が宛てがわれる。眼前の真央は、穏やかな表情をしていた。
「辛いよね、梢。早くわたしたちの仲間になって、一緒にハイグレしよ?」
 背後からも、耳打ちをするように花子が囁く。
「大丈夫、怖くないよ。どうせみんな、すぐにハイグレ人間になるんだもん」
 麗香が、ハイグレの興奮で熱くなった息を吐きながら私を誘惑する。
「ハイグレをすると、頭の中がハイグレ一色に変わる。この気持ちよさは、ハイグレ人間じゃないと分からないのよ」
 朝日はわくわくを隠しもせずに、弾んだ声で言う。
「梢のハイグレ、どんな色だろう? 真央、早く撃っちゃえよ!」
 その言葉にこくんと頷く真央。
 ……もうおしまいだ。私も、みんなと同じに変えられちゃうんだ……。
「き、きゃあああああああああ!」
 絶望する私の体に、容赦なくハイグレ光線が注ぎ込まれた。全身を無数の手で優しく、しかし執拗に撫でられているかのような、気持ちよさとくすぐったさの合わさった刺激が私を襲う。同時進行で、服を着ている感覚が失せていく。と思ったら、ある時を境に急に胸や胴回りや股間を締め付けられる。
 これがハイグレってやつだろうか、私は本当に、水着に着替えさせられてしまったのだろうか。その問の答えは、直後自分の目で確かめることになった。
 股の間を通る布は頼りなく細く、そこから腰の上にかけて見事な鋭角を描くハイレグ。私は、青のハイグレ人間になっていた。
 戸惑う私を歓迎し安心させようとしてか、私を含めて円形を作るように立ち並ぶ四人。左からオレンジ、黄色、紫、白、そして自分の青。五人の色とりどりのハイグレ人間が、互いの姿をまじまじと見つめ合う。
「嬉しいなぁ。これでみんなハイグレ人間だねぇ」
 感慨深く真央が言う。それに朝日、麗香、花子は揃って頷く。
 私はまだどうにか心までは洗脳されていない。でも、一度でもハイグレをしたら止められないって予感はしている。下腹部の疼きはどんどん強くなって、今にも爆発しそうだ。
 もしハイグレポーズをしたら、どんな気持ちになるんだろう――してはいけないと分かっているのに、いや、分かってるからこそ、してみたくなってしまう……!
「あれ? もしかして梢、ハイグレ我慢してんの?」
「ち、違っ」
 私の腕がハイレグの線にくっついているのを、朝日に見咎められる。すると、しょうがないなぁと言わんばかりの目で三人がニヤニヤと覗き込んでくる。
「違うの?」
 うぅ、恥ずかしい……けど、だって、しょうがないでしょ。それに皆だって私の気持ち、分かってるくせに。
 どうせもう、元の人間には戻れないんだ。だったらハイグレ人間としての自分を受け入れて、ハイグレ人間として生きるしか道はない。そう思えた。
「……お願い、してもいい?」
 私はみんなに尋ねる。
「私の最初のハイグレは、みんなと一緒にしたい……な」
 すると四人はすぐさま笑顔で頷いてくれた。同じハイグレ人間同士、心が通じ合っているのかもしれない。そう思うと初めてのハイグレへの恐怖心は、すっかり消え去ってしまった。
 早くハイグレがしたい。ハイグレ人間としての幸せを味わいたい。全身が来るべき瞬間を待ち望んで、ドクドクと脈打ち始めた。
 それに気付いた花子が急かすように言う。
「ほら、梢もこう言ってるよ。わたしもまだみんなとハイグレしてないから、楽しみだなぁ」
「そうね。じゃあ真央、あなたが合図をして」
「だな。あたしたちみんな、真央にハイグレ人間にしてもらったんだしな」
 真央は四人を見回して異存がないことを確認すると、私に視線を向けた。
「じゃあいくよ、梢、みんな」
 後は言葉にするまでもない。五人揃って腰を深く落とし、鋭い切れ込みに手を当てる。そして自分たちの内側から溢れてくる熱い思いを、一気に全身から解き放つのだ。
「「「「「ハイグレ!! ハイグレ!! ハイグレ!!」」」」」
 たかがガニ股で下腹部を擦るだけのポーズが、たかが取るに足らないカタカナ四文字が、こんなにも愛おしい。
 自分と、仲間と、世界と、宇宙と、そして魔王さまを繋げてくれる魔法――それがハイグレ。
 今ならみんなが言ってくれた言葉の意味が分かる。そして私をハイグレ人間にしてくれようとした理由も、そのことへの感謝も。
 ハイグレは最高だ。他にどう言い表しようもない。この素晴らしさを知らない愚かな人間には、教えてあげなければいけない。それが私たちハイグレ人間の使命。
「ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ!」
 私はハイグレ人間梢。ハイグレ魔王さまの、忠実なしもベ……!


   *完*




とまあこんな感じで
最近アイデアばかりが先行して一人をじっくり追い詰めていくのが多かったので、たまには連鎖堕ち方向で一つ
しかし書きながら酷い悪文で支離滅裂なのが分かっているから読み返したくない……!

このところリアルの用事が立て込んで、暇な時間が全く取れていません。秋アニメもまだ二週間分と見れていませんし
もう少ししたら一旦落ち着けそうですが、その谷間期間に企画作を書き上げきれるかどうか……
時間だ、時間をおくれーッ!(´;ω;`)

息も絶え絶えですが、私は生きています。そんな生存報告でした

ではまたー


追伸。本日のスレでティラノビルダーでノベルゲ作ろうとしているというとっしー様(以前もスレで質問されていた方かと思いますが)、もしご覧になっておられましたらば
ゲーム「ハイグレ皇女~」に用いられているなんとか機のキャラ素材のことでしたら、自分が確認した限りは表情などはほぼ全て、別のサイト様で無料配布されている素材(&ごく簡単な画像編集)で作られています
しかし、一番肝心なハイグレについては少なくとも自分の手持ちにはありません。自分も欲しいです。恐らくゲーム作者様あるいは別の方が描かれたのではと思います
ゲーム作者様が素材流用についてどうお考えかは自分には推し量りかねますが、なるべくならご自分で用意された方が無難かとは思います 
作者様ご降臨なら全然問題ないですねでしゃばった真似をしました
……と言ってもそのハイレグ、素体に境界線引いてペンキでベタ塗りして適当な位置に白テカリ等入れただけではないかと見受けられますが(いざとなったらこれくらい、ら、楽勝で自作できるささささ(震え声))
キャラ素材の配布先や、他にティラノやなんとか機関連で分からないことなどありましたら、お気軽に当ブログにコメント(orメール)ください。なるべく早く返信いたします
何と言っても同じ創作者、しかも同じツールを使っている同志なら、出来る限り協力したいですからね
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プロフィール

香取犬

Author:香取犬
ハイグレの洗脳を受けて早幾年
遂に自らハイグレ小説を書くようになってしまいました
いつでもネタ募集中です
酉◆RYenwqtp9Y

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