「変わりゆく若人たち」について諸々
「変わりゆく若人たち」(ハイグレ小説王国内)
2013年1月24日から「ハイグレ小説王国」にて連載させて頂いていた拙作「変わりゆく若人たち」が2014年5月3日、完結を迎えました。
これまで読んでいただいた方々、また応援のコメントなどを寄せてくれた方々には頭が上がりません。本当にありがとうございました。
当初は「閲覧数は4000くらいはいくといいなぁ」なんて考えていたのですが、いつの間にか5桁ですか。恐れいります。
早速ですがこれから、この作品を書くにあたっての基本方針として、常に念頭に置いていた事柄を紹介します。まあ、どれもまったく気にせず読まれていても差し支えはありませんが。
ネタバレを大いに含みますので、ご注意ください。
1・群像劇
ここまで大掛かりな群像劇を書くのは初めてだったので、だいぶ気を使いました。しかし、後になって気付いた大きなミスがあったので後で謝らせてください。
たくさんの人達が同じ舞台で入り乱れ、出会って別れてを繰り返すのって、個人的に好きなんです。そしてこれは、ハイグレで用いるのにちょうどいい表現方法だと思ったのです。
原初のネタは、こうでした。「ある女子が様々な人達と関わりつつ逃げ続け、そして一番最後まで残るも洗脳されて全滅」――そう。全滅エンドは一年以上前から決まっていたのです。「恵美香には生き残って欲しい」と言ってくれた方、申し訳ありません。ニヤニヤしながら読ませていただきました。
このように「恵美香の脱出」が主軸となった物語ですので、羽衣に始まり、織枝、桃花、玲衣奈、和子、希と多くの人物の視点で恵美香を描きましたし、恵美香パートでは何十人ものキャラと関わりあいを持ちましたね。そんな恵美香パートは単品だけでも18レス分(1レスの文字制限である4000字を結構いっぱいいっぱいに使っています)と、短編として充分すぎるほどの量になってしまいました。
2・あいうえお順
人数が多くなるのは群像劇である以上最初から分かっていましたので、それにしても何人登場させるのか、また、管理をしやすくするためにはどうすればいいかと考えた結果、登場人物は「名前が登場する度に頭文字を五十音順からとって決める」ことにしました。この法則に気づいた読者さまは、あとどれくらいの人数が残っているかなんかが把握できたのではないでしょうか。
想像がつくとおり、頭文字ら行なんかは名付けすら難産でした。瑠輝はまだしも「ろ」なんか浮かびもしなかったので、いっそ外国人にしてしまえとローザを作りました。ちなみに法則に乗っとって、詠は「よみ」、和子は「わこ」と読みます。
そして実はここでも大ポカをやらかしています。問題のシーンは桃花パートNo.10、倉庫のキャラです。菜々の次に沼田→合歓→仁奈→希→茉里奈と名前が明かされましたが、な行の順番がズレている上、なんとは行を忘れるという日本人にあるまじき失態。しかもこのことに数週間気付かなかったという。
な行についてはもうどうもしませんが、は行についてはちょっと目論んでいることがあります。これも後述。
3・一人称視点。そして主人公になったら洗脳フラグ
一人称については特に最初の方、羽衣パートなんかが顕著です。一般的な一人称小説よりももっと、視点人物の目線になって書いてみたかったのです。心の声を主軸に置き、主人公が思った通りの言葉を読んでもらうことで、感情移入する。そういう考えでした。
しかし、それが小説として難しい試みだったということはすぐに理解出来ました。少なくとも自分の腕ではずっと続ける自信はありませんでした。華奈パートあたりで早くも諦め、普通の一人称になっているのが窺えます。
それでも発言時の「」についてはそのまま継続しました。読めば分かる通り、「」になるのは視点人物の声のみ。他の人物の声や物音は前後一行を空け、“――”の後に書きました。こんなことをしたのは初めてなのですが、読みづらさがなかったか、そして一人称を活かせていたか、など少々不安です。
また、ルールとして「主人公になった人物は(ほぼそのパートで)洗脳される」ということも設定していました。例えそのパートを生き残っても、後々洗脳描写が待っています(例:凛)。理由は、これに気付いた読者さんに対し、「ああ、ついにこいつもハイグレになるのか」と思わせたかったからです。
これが特に生かせたのは、和子パートNo.32にて会長が「あと4人」と言ったことです。この時点で開示されている生き残りは、恵美香、睦月、和子、そして希と凛でした。その次が時をさかのぼって希パートだったことで、やられるのは凛ではなく希である、と読者さまに認識させられたのではないでしょうか。
4・細かな洗脳描写
前項からの続きです。一人称は主人公の内面を描くのにとても有利に働きます。洗脳前、洗脳中、そして洗脳後……ハイグレに染められていく過程を、出来る限りじっくりと描きたかったのです。だってこれは、ハイグレ小説なのですから。
光線一発で即堕ちも、葛藤描写無しのハイグレ連呼にもそれぞれ魅力があるのは分かっています。しかし自分は、敢えて一番面倒な道を進みました。なぜならそれが、最も自分が興奮する要素だからです。
ハイグレを嫌がり逃げるも、無慈悲に光線に包まれ、そして恥辱と恐怖にまみれて抵抗し、しかし結局はハイグレに堕ちていく。結果、人間を忌むようになり、仲間を増やすために銃を取る。……この一連の流れやビフォーアフターのギャップこそが、ハイグレ洗脳の魅力だと思うのです!(力説)
幾らかのバリエーションは持たせましたが、大体のキャラに対してこのテンプレを用いました。
5・一更新一ハイグレ以上
お気付きになりましたか? 自分は一度に投稿するレスは1~3と幅がありました。区切り目はストーリーの進行状況などによるところも大きいのですが、何よりも気を使っていたのは「必ず毎回、誰かしらがハイグレ人間になる」ということです。前半などまだ一パートが短かった頃は、視点人物が洗脳されるところまでを一度に更新しました。後半、恵美香パートなどは何回にも分けて更新しましたが、必ず恵美香の目の前で誰かが洗脳されていました。
理由は簡単です。これも、ハイグレ小説であるからです。率直に言わせていただきますが、だって、誰も洗脳されずただストーリーが進行するようなハイグレ小説を、読者は求めていないと思うのです。「お、小説が更新されてる!」→「なんだ、誰もハイグレになんないのかよ」と思ったことのある方は少なからずいると思います。
もちろん読者の立場からすればどんな内容にせよ、更新していただけるだけでも御の字以上です。でも、自分は自分の作品の読者に、そんな思いをさせたくなかった。それだけの話です。
6・小ネタを挟む
自分は原作映画を見て、ハイグレにハマりました。なので原作へのリスペクトとして、作中に何度もお馴染みの台詞を混ぜさせていただきました。
それ以外にも、その頃リアルやネットで流行っていたスラングも混ぜてしまいました。読み返したとき、この頃だったのか、と思って頂ければ。
また、これはネタではありせんが、今後の展開を示唆するような文章も時々挿入してみました。主なものを抜粋すると、
芽以パートNo.19「……この世界の製作者はどうしてもあたしたち全員をハイグレ人間にしたいらしい。ハッピーエンドも用意しろッ! といくら思っても何も変わらない。」
恵美香パートNo.54「ああ、外が、希望がどんどん遠のいていってしまう。門を掴もうと精一杯伸ばした手は、ただ何度も空を切った。」
特に前者は直接的ですね。だってハナから全滅は決まっていたんですもの。早めにそのことはバラしてしまおうと思っていたのです。
でも、製作者は心変わりをしたのです。例によってこれも後述。
ひと通り書きたいことを書いたところで、こちらのサムネを御覧ください

細かすぎて見えないと思いますが、これの正体は、「変わりゆく若人たち・時系列」表。群像劇を整理するために自分用資料として使っていたもの(に着色して見やすさを高めたもの)です。
フルサイズJPGはこちら(800kb弱あるので注意)→http://blog-imgs-65.fc2.com/h/i/g/highglepostoffice/20140503205815d81.jpg
PDFが見られる環境ならJPGよりこちらをおすすめします→http://ux.getuploader.com/highglepostoffice1/download/1/%E5%A4%89%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%82%86%E3%81%8F%E6%99%82%E7%B3%BB%E5%88%97.pdf
xlsが見られる環境ならこちらも可ですが、フリーソフト作成のため上手く表示されないかもしれません→http://ux.getuploader.com/highglepostoffice1/download/2/%E5%A4%89%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%82%86%E3%81%8F%E6%99%82%E7%B3%BB%E5%88%97.xls
PDF及びxlsファイルは外部アップローダーへのリンクとなります。ちなみにこちらには一応R18指定がされています。
このアップローダー内ファイルのパスワードは今後含め「highgle」で共通です。
よろしければこれを側に置いて、時間があるときに作品をもう一度読み返してみてください。きっと全体の構図がより明確に分かります。
で、後回しにしていた「ミス」ですが……実は恵美香パートNo.43-45、これまた倉庫のシーンにあります。恵美香が人間を捜索にいく時間は、一回目で10分ギリギリ、二回目で約7分かかっているはずなのですが、表では合わせて10分程度になっています。このシーンは桃花パートなどでも書いてしまっており、しかも倉庫編の関係者は十人以上です。これを今からテコ入れするのは不可能と判断せざるを得ませんでした。今後は再発防止に努めてまいります。仕方がないので、恵美香パートのこの部分は、時間が圧縮されているものとして扱ってください。
ちなみに何とか修正の効くミスは、完結時に行った全改訂で直しています。変換ミスなどの些細なもの以外では、「恭子と葛葉が恭子パートでは2年生、葛葉パート以降では1年生になっている」というものがありました。これは恭子パートを1年生にすることで矛盾解消を図っています。
今までに黙って直したものもついでに懺悔すると、「葛葉パートで一部恭子と葛葉の名前が入れ替わっていた」「希パートで園美を白のハイレグと描写」などがありました。詰めが甘くて申し訳ないです。
では最後の話題。「変わりゆく若人たち」の今後の展開です。
完結したんじゃないの? はい、確かにそうなのですが。
「恵美香には生き残って欲しい」……そう言われると確かに、結局はハイグレにされる運命にあるのに逃げ回されている恵美香が、作者ながらに可哀想になってしまいました。
なので……ちゃんと救いを用意しました。やったね恵美香! 友達助けられるね!
但し、あくまでもこれは《IF》。本編ではしっかりハイグレ人間になっていただきました。
そんな《IF√》は次の記事で全文公開していますので、よろしければどうぞ。
また、「は行を飛ばしてしまった罪」についても贖罪を考えています。これも「ハイグレ小説王国」ではなくこのブログで連載しようと思っています。
名づけて短篇集「変わりゆく若人たち ホ完編」。
は行の「ホ」で全ての物語を「完」結させ、同時に本編では語れなかったエピソードを「補完」するための短篇集です。……言葉遊びが出来過ぎてる? これがやりたかったからわざとは行を抜かしたんだろ? いいえ、当初は全くそのつもりはございませんでした。
完成次第順次公開していきますので、しばらくお待ちください。
次に、前の記事で散々言っている「新作長編」についてです。
「変わりゆく若人たち」がただただ一般人がハイグレに制圧されていく物語ならば、次は人間たちがハイグレ軍に対して武力を以って立ち向かう、そんな物語にしたいと思っています。
三人称。オリジナル。アクション要素多め。研究所あり。スパイ要素あり。洗脳解除要素あり。魔王さまご登場。そして……絶望あり。
舞台はハイグレの恐怖が去ってから二年後。魔王の残滓が再び鳴動を始め、世界はまたしてもハイグレ軍を相手にすることになる。そんな感じで。
そしてその舞台を――「変わりゆく若人たち」《IF√》から地続きになっている世界にしようと考えています。
「変わりゆく若人たち」は、当初まさかこんなに長くなってしまうとは考えていませんでした。調べてみたら15万字を軽く超えているじゃあないですか。まともな小説一冊分に匹敵しますよ。
しかし新作については、ちょっと設定を考えただけでこりゃあ大変なことになりそうだと感じてしまいました。どのくらいのボリュームになるのか、また、完結までにいつまでかかるのか、想像もつきません。
ですので皆様におかれましては、新作の存在はほとんど忘れていただいたほうが精神衛生上よろしいと思います。忠告しましたよ。
という感じで言いたいことを全て吐き出すことが出来ました。クソ長くクソ中身の無い駄文にお付き合いいただき、誠にありがとうございます。
改めて書きますが、この次の記事では「変わりゆく若人たち」《IF√》を公開中です。
これからも香取犬、そして当ブログをよろしくお願い致します。
2013年1月24日から「ハイグレ小説王国」にて連載させて頂いていた拙作「変わりゆく若人たち」が2014年5月3日、完結を迎えました。
これまで読んでいただいた方々、また応援のコメントなどを寄せてくれた方々には頭が上がりません。本当にありがとうございました。
当初は「閲覧数は4000くらいはいくといいなぁ」なんて考えていたのですが、いつの間にか5桁ですか。恐れいります。
早速ですがこれから、この作品を書くにあたっての基本方針として、常に念頭に置いていた事柄を紹介します。まあ、どれもまったく気にせず読まれていても差し支えはありませんが。
ネタバレを大いに含みますので、ご注意ください。
1・群像劇
ここまで大掛かりな群像劇を書くのは初めてだったので、だいぶ気を使いました。しかし、後になって気付いた大きなミスがあったので後で謝らせてください。
たくさんの人達が同じ舞台で入り乱れ、出会って別れてを繰り返すのって、個人的に好きなんです。そしてこれは、ハイグレで用いるのにちょうどいい表現方法だと思ったのです。
原初のネタは、こうでした。「ある女子が様々な人達と関わりつつ逃げ続け、そして一番最後まで残るも洗脳されて全滅」――そう。全滅エンドは一年以上前から決まっていたのです。「恵美香には生き残って欲しい」と言ってくれた方、申し訳ありません。ニヤニヤしながら読ませていただきました。
このように「恵美香の脱出」が主軸となった物語ですので、羽衣に始まり、織枝、桃花、玲衣奈、和子、希と多くの人物の視点で恵美香を描きましたし、恵美香パートでは何十人ものキャラと関わりあいを持ちましたね。そんな恵美香パートは単品だけでも18レス分(1レスの文字制限である4000字を結構いっぱいいっぱいに使っています)と、短編として充分すぎるほどの量になってしまいました。
2・あいうえお順
人数が多くなるのは群像劇である以上最初から分かっていましたので、それにしても何人登場させるのか、また、管理をしやすくするためにはどうすればいいかと考えた結果、登場人物は「名前が登場する度に頭文字を五十音順からとって決める」ことにしました。この法則に気づいた読者さまは、あとどれくらいの人数が残っているかなんかが把握できたのではないでしょうか。
想像がつくとおり、頭文字ら行なんかは名付けすら難産でした。瑠輝はまだしも「ろ」なんか浮かびもしなかったので、いっそ外国人にしてしまえとローザを作りました。ちなみに法則に乗っとって、詠は「よみ」、和子は「わこ」と読みます。
そして実はここでも大ポカをやらかしています。問題のシーンは桃花パートNo.10、倉庫のキャラです。菜々の次に沼田→合歓→仁奈→希→茉里奈と名前が明かされましたが、な行の順番がズレている上、なんとは行を忘れるという日本人にあるまじき失態。しかもこのことに数週間気付かなかったという。
な行についてはもうどうもしませんが、は行についてはちょっと目論んでいることがあります。これも後述。
3・一人称視点。そして主人公になったら洗脳フラグ
一人称については特に最初の方、羽衣パートなんかが顕著です。一般的な一人称小説よりももっと、視点人物の目線になって書いてみたかったのです。心の声を主軸に置き、主人公が思った通りの言葉を読んでもらうことで、感情移入する。そういう考えでした。
しかし、それが小説として難しい試みだったということはすぐに理解出来ました。少なくとも自分の腕ではずっと続ける自信はありませんでした。華奈パートあたりで早くも諦め、普通の一人称になっているのが窺えます。
それでも発言時の「」についてはそのまま継続しました。読めば分かる通り、「」になるのは視点人物の声のみ。他の人物の声や物音は前後一行を空け、“――”の後に書きました。こんなことをしたのは初めてなのですが、読みづらさがなかったか、そして一人称を活かせていたか、など少々不安です。
また、ルールとして「主人公になった人物は(ほぼそのパートで)洗脳される」ということも設定していました。例えそのパートを生き残っても、後々洗脳描写が待っています(例:凛)。理由は、これに気付いた読者さんに対し、「ああ、ついにこいつもハイグレになるのか」と思わせたかったからです。
これが特に生かせたのは、和子パートNo.32にて会長が「あと4人」と言ったことです。この時点で開示されている生き残りは、恵美香、睦月、和子、そして希と凛でした。その次が時をさかのぼって希パートだったことで、やられるのは凛ではなく希である、と読者さまに認識させられたのではないでしょうか。
4・細かな洗脳描写
前項からの続きです。一人称は主人公の内面を描くのにとても有利に働きます。洗脳前、洗脳中、そして洗脳後……ハイグレに染められていく過程を、出来る限りじっくりと描きたかったのです。だってこれは、ハイグレ小説なのですから。
光線一発で即堕ちも、葛藤描写無しのハイグレ連呼にもそれぞれ魅力があるのは分かっています。しかし自分は、敢えて一番面倒な道を進みました。なぜならそれが、最も自分が興奮する要素だからです。
ハイグレを嫌がり逃げるも、無慈悲に光線に包まれ、そして恥辱と恐怖にまみれて抵抗し、しかし結局はハイグレに堕ちていく。結果、人間を忌むようになり、仲間を増やすために銃を取る。……この一連の流れやビフォーアフターのギャップこそが、ハイグレ洗脳の魅力だと思うのです!(力説)
幾らかのバリエーションは持たせましたが、大体のキャラに対してこのテンプレを用いました。
5・一更新一ハイグレ以上
お気付きになりましたか? 自分は一度に投稿するレスは1~3と幅がありました。区切り目はストーリーの進行状況などによるところも大きいのですが、何よりも気を使っていたのは「必ず毎回、誰かしらがハイグレ人間になる」ということです。前半などまだ一パートが短かった頃は、視点人物が洗脳されるところまでを一度に更新しました。後半、恵美香パートなどは何回にも分けて更新しましたが、必ず恵美香の目の前で誰かが洗脳されていました。
理由は簡単です。これも、ハイグレ小説であるからです。率直に言わせていただきますが、だって、誰も洗脳されずただストーリーが進行するようなハイグレ小説を、読者は求めていないと思うのです。「お、小説が更新されてる!」→「なんだ、誰もハイグレになんないのかよ」と思ったことのある方は少なからずいると思います。
もちろん読者の立場からすればどんな内容にせよ、更新していただけるだけでも御の字以上です。でも、自分は自分の作品の読者に、そんな思いをさせたくなかった。それだけの話です。
6・小ネタを挟む
自分は原作映画を見て、ハイグレにハマりました。なので原作へのリスペクトとして、作中に何度もお馴染みの台詞を混ぜさせていただきました。
それ以外にも、その頃リアルやネットで流行っていたスラングも混ぜてしまいました。読み返したとき、この頃だったのか、と思って頂ければ。
また、これはネタではありせんが、今後の展開を示唆するような文章も時々挿入してみました。主なものを抜粋すると、
芽以パートNo.19「……この世界の製作者はどうしてもあたしたち全員をハイグレ人間にしたいらしい。ハッピーエンドも用意しろッ! といくら思っても何も変わらない。」
恵美香パートNo.54「ああ、外が、希望がどんどん遠のいていってしまう。門を掴もうと精一杯伸ばした手は、ただ何度も空を切った。」
特に前者は直接的ですね。だってハナから全滅は決まっていたんですもの。早めにそのことはバラしてしまおうと思っていたのです。
でも、製作者は心変わりをしたのです。例によってこれも後述。
ひと通り書きたいことを書いたところで、こちらのサムネを御覧ください

細かすぎて見えないと思いますが、これの正体は、「変わりゆく若人たち・時系列」表。群像劇を整理するために自分用資料として使っていたもの(に着色して見やすさを高めたもの)です。
フルサイズJPGはこちら(800kb弱あるので注意)→http://blog-imgs-65.fc2.com/h/i/g/highglepostoffice/20140503205815d81.jpg
PDFが見られる環境ならJPGよりこちらをおすすめします→http://ux.getuploader.com/highglepostoffice1/download/1/%E5%A4%89%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%82%86%E3%81%8F%E6%99%82%E7%B3%BB%E5%88%97.pdf
xlsが見られる環境ならこちらも可ですが、フリーソフト作成のため上手く表示されないかもしれません→http://ux.getuploader.com/highglepostoffice1/download/2/%E5%A4%89%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%82%86%E3%81%8F%E6%99%82%E7%B3%BB%E5%88%97.xls
PDF及びxlsファイルは外部アップローダーへのリンクとなります。ちなみにこちらには一応R18指定がされています。
このアップローダー内ファイルのパスワードは今後含め「highgle」で共通です。
よろしければこれを側に置いて、時間があるときに作品をもう一度読み返してみてください。きっと全体の構図がより明確に分かります。
で、後回しにしていた「ミス」ですが……実は恵美香パートNo.43-45、これまた倉庫のシーンにあります。恵美香が人間を捜索にいく時間は、一回目で10分ギリギリ、二回目で約7分かかっているはずなのですが、表では合わせて10分程度になっています。このシーンは桃花パートなどでも書いてしまっており、しかも倉庫編の関係者は十人以上です。これを今からテコ入れするのは不可能と判断せざるを得ませんでした。今後は再発防止に努めてまいります。仕方がないので、恵美香パートのこの部分は、時間が圧縮されているものとして扱ってください。
ちなみに何とか修正の効くミスは、完結時に行った全改訂で直しています。変換ミスなどの些細なもの以外では、「恭子と葛葉が恭子パートでは2年生、葛葉パート以降では1年生になっている」というものがありました。これは恭子パートを1年生にすることで矛盾解消を図っています。
今までに黙って直したものもついでに懺悔すると、「葛葉パートで一部恭子と葛葉の名前が入れ替わっていた」「希パートで園美を白のハイレグと描写」などがありました。詰めが甘くて申し訳ないです。
では最後の話題。「変わりゆく若人たち」の今後の展開です。
完結したんじゃないの? はい、確かにそうなのですが。
「恵美香には生き残って欲しい」……そう言われると確かに、結局はハイグレにされる運命にあるのに逃げ回されている恵美香が、作者ながらに可哀想になってしまいました。
なので……ちゃんと救いを用意しました。やったね恵美香! 友達助けられるね!
但し、あくまでもこれは《IF》。本編ではしっかりハイグレ人間になっていただきました。
そんな《IF√》は次の記事で全文公開していますので、よろしければどうぞ。
また、「は行を飛ばしてしまった罪」についても贖罪を考えています。これも「ハイグレ小説王国」ではなくこのブログで連載しようと思っています。
名づけて短篇集「変わりゆく若人たち ホ完編」。
は行の「ホ」で全ての物語を「完」結させ、同時に本編では語れなかったエピソードを「補完」するための短篇集です。……言葉遊びが出来過ぎてる? これがやりたかったからわざとは行を抜かしたんだろ? いいえ、当初は全くそのつもりはございませんでした。
完成次第順次公開していきますので、しばらくお待ちください。
次に、前の記事で散々言っている「新作長編」についてです。
「変わりゆく若人たち」がただただ一般人がハイグレに制圧されていく物語ならば、次は人間たちがハイグレ軍に対して武力を以って立ち向かう、そんな物語にしたいと思っています。
三人称。オリジナル。アクション要素多め。研究所あり。スパイ要素あり。洗脳解除要素あり。魔王さまご登場。そして……絶望あり。
舞台はハイグレの恐怖が去ってから二年後。魔王の残滓が再び鳴動を始め、世界はまたしてもハイグレ軍を相手にすることになる。そんな感じで。
そしてその舞台を――「変わりゆく若人たち」《IF√》から地続きになっている世界にしようと考えています。
「変わりゆく若人たち」は、当初まさかこんなに長くなってしまうとは考えていませんでした。調べてみたら15万字を軽く超えているじゃあないですか。まともな小説一冊分に匹敵しますよ。
しかし新作については、ちょっと設定を考えただけでこりゃあ大変なことになりそうだと感じてしまいました。どのくらいのボリュームになるのか、また、完結までにいつまでかかるのか、想像もつきません。
ですので皆様におかれましては、新作の存在はほとんど忘れていただいたほうが精神衛生上よろしいと思います。忠告しましたよ。
という感じで言いたいことを全て吐き出すことが出来ました。クソ長くクソ中身の無い駄文にお付き合いいただき、誠にありがとうございます。
改めて書きますが、この次の記事では「変わりゆく若人たち」《IF√》を公開中です。
これからも香取犬、そして当ブログをよろしくお願い致します。
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