【オリ連作】「帝後学園の春」について【+アフターEP】

「帝後学園の春」(ハイグレ小説王国内)

 ~人物紹介('15 8/28追加分には「・」付与/華の親友にも「@」「*」マーク付与)~

安藤帆乃佳(アンドウ ホノカ) A組1番 華の1年次からの友人。元気だが、きっちりした一面も。「私」
犬養潤菜(イヌカイ ジュンナ)  A組2番 控えめで恥ずかしがり屋。「わたし」
井村謙介(イムラ ケンスケ) A組3番 バスケ部主将を務めた、体格のいい男子。「俺」
上田湊(ウエダ ミナト) A組4番 上がり症ぎみで、小柄。
海老塚莉愛(エビヅカ リア) A組5番 行動力のある不良。「私」
四月一日真梨(ワタヌキ マリ) A組40番 物の分別がよくつき、決断が早い。「わたし」

幾島由良(イクシマ ユラ) B組1番 マイペース。
小嶋幸穂(コジマ サチホ) B組19番 怖がり。
滝川璃子(タキガワ リコ) B組20番 大人しいメガネっ子。
竹林陽奈(タケバヤシ ヒナ) B組21番 華の1年次からの友人。和ませ役だが心配症。 「わたし」
鷲崎真波(ワシザキ マナミ) B組40番 人望の厚い生徒会長。生徒思いで意志が強い。「私」

阿万音ヒロ(アマネ ヒロ) C組1番
加賀いずみ(カガ イズミ) C組6番 華の1年次からの友人。男口調で仲間想い。
真壁海(マカベ ウミ)  C組34番
宮野心葉(ミヤノ コノハ) C組35番
物部咲羽(モノノベ サワ) C組36番 引っ込み思案。「私」
矢野彩音(ヤノ アヤネ) C組37番 華の2年次からの友人。落ち着いていて真面目。別の高校へ移る。「私」
依田剛志(ヨリタ タケシ) C組38番 普通の男子。しかしとある夢がある。「オレ」
六角正弥(ロッカク マサヤ) C組39番 声変わり前のショタ。「ボク」
蕨明乃(ワラビ アキノ) C組40番 華の2年次からの友人。サバサバした姉御肌。「あたし」

我孫子栄子(アビコ エイコ)  D組1番
・小嶋香苗(コジマ カナエ) D組13番
・斎藤すばる(サイトウ スバル) D組14番 気弱な敬語少女。
酒井夏希(サカイ ナツキ) D組15番 学級委員。男女隔て無く接する。別の高校へ移る。
・吉田弘武(ヨシダ ヒロム) D組35番 小柄な男子。
・源貞良(ミナモト サダヨシ) D組36番 やれやれ系男子。
箕輪月子(ミノワ ツキコ) D組37番 口数が少なく大人しい。
弓原清香(ユミハラ キヨカ) D組38番 明るく、気遣いができる。弟妹がいる。
竜堂鈴(リンドウ スズ) D組39番 華の2年次からの友人。気弱で泣き虫。 「わたし」
渡瀬華(ワタセ ハナ)  D組40番 主人公。感情を素直に表現する。 「あたし」

渡瀬翠(ワタセ ミドリ) 華の姉。20歳。漫画家。
弓原楓香(ユミハラ フウカ) 清香の末の妹。4歳。
 (その他保護者、高校生については割愛)

学園長 チビデブハゲな帝後学園の長。 「私」

 以下、初回更新分のネタバレがありますので本編完全未読の方はご注意ください。
 また、完全にニュートラルな気持ちで作品を読みたい方も、閲覧は控えるようお願いします。

目次兼更新履歴
初回更新:2014/06/15
二次更新:2014/08/16
三次更新:2015/08/16
最終更新:2015/08/28
【アフターエピソード】帝後学園の春 入学式編
あとがきアフター(リンク修正済)



 ということで始めてしまいました。新作連載。ブログ開設当初から言っていた「長編」とは別物ですが。
 授業中や全校集会の間、何度「あーパンスト兵こねーかなぁ」と思ったことか。当然、卒業式の間もそう妄想していました。あ、テロリストはお呼びじゃないです。


 今回の「帝後学園の春」では、基本的に即洗脳の形を取っていきます(初回更新では嫌がってる描写の方が多いですけど)。即洗脳だと描写すべきシーンが少なくなってしまうため、文字媒体の強みが薄いと個人的には思うのですが、需要があることも知っていますし、洗脳としては素晴らしい形式ですので、挑戦してみようと思った次第です。
「変わりゆく若人たち」のときは人物表は完結後の公開となってしまいましたが、今回は初めから置いておきます。と言っても性格の部分は超適当なのでアテにはしないほうが良いでしょう。誰が華の友達なんだっけ、という目安程度にお使いください。
 “人間からの卒業式”そして“逃れられない死刑台”が本作品のイメージです。逃げ道を完全に塞がれ、洗脳されると分かっている場へ自ら進まされるというシチュエーションで進んでいきます。
 当然160人分の洗脳は書けませんから、主に現段階で登場済みのキャラクターたちにこれからハイグレ人間になってもらいます。
 最後に残された華がどんな気持ちを抱くのか、我ながら今から楽しみです。続きはもう少々お待ち下さい。

 コサージュや光線銃について。
 胸に付ける花飾りであるコサージュ。卒業式の定番であるそのアクセサリーを今回は、洗脳の道具に用いました。現象は単純。組になっているコサージュが複数用意されており(本文では「対」と書きましたが、清香と楓香とその母もコサージュを付けていたように、リンクしているコサージュは親族が複数来ても不足の無いよう複数存在します)、うち一つが生徒に、残りはその保護者に渡されます。
 そしてそのうち一つでもハイグレ光線に命中すると、少ししてから他のコサージュにも伝播し、ハイグレ光線同様の光を放出します。この時、命中したのが校長のハイグレ銃だった場合、全て即洗脳。一般生徒の弱い光線だった場合、全て弱い、抵抗の意思の残るハイグレ人間化となります。後者のときには、コサージュは消失せずに胸元に装着されたままです。だから(初回更新ではまだ描かれていませんが)不完全なハイグレ人間が校長の洗脳銃を浴びたとき、ようやく全員が完全なハイグレ人間になることができるのです。

 作品タイトルについて。
 タイトルにもなっている「帝後(ていこう)学園」は、高等部からの編入が認められている中高一貫の私立校です。名前の由来は、「帝(=T)後(=Back)」でTバック!……ってどうでもいいですねこれ。Tバックに深い意味も思い入れもありませんし、個人的にはハイレグはハーフバック派です。また、抵抗と音が同じなのは偶然です。
 そして何故「卒業式」ではなく敢えて「春」にしたか。答えは、春の学校行事を思い返せば簡単。そう、「春」にしておけば、卒業式が終わった後に入学式編が書けるからです。流れはもう何となく考えているものの、入学式では一人ひとり壇上に上げることもしないですから、どう洗脳するか悩み中です。
 でも入学式編を書かなくたって、タイトル詐欺にはなりませんからね。という卑怯な予防線を事前に張っておきます。

 小説の更新によってキャラが増えた場合、上記の人物紹介を更新します。また、何か書き足したいことができた場合はこの下にネタバレ注意線を設け、追記していきます。卒業式編完結後も同様に、この記事への追記という形で語ります。
 では今日のところは以上です。また次回更新、もしくは「転校生はハイグレ戦士」のほうでお目にかかりたいと思います。
【初回更新:2014/06/15】




 小説に於いての重大なタブーのひとつは、視点人物を頻繁に変えることと言われています。
 一人称、三人称に関わらず、(形式段落や章などの明確な区切りもなしに)別の人物に視点を移して描写すると、読者は混乱して物語に追いつけなくなるばかりか、それに気を取られて読み進めるのも難しくなります。
 さて、一度今回の文を読み返してみようか。
 ……。
 ……あっ。

 「帝後学園の春」は三人称視点で、生徒が順番に洗脳されていく様を描くお話ですが、一応の主人公を華に設定してしまった手前、モブはともかく親友がハイグレ人間にされる場面ではどうしても華視点を挿入せざるを得ません。しかしその場合も含めて、洗脳される生徒の心情も書かねばなりません。この二つが競合した結果が、このザマなのです。
 ただの言い訳なんですごめんなさい。こうなることは予測できたはずなのに。はぁ。

 遅くなりましたが、二ヶ月ぶり二度目の更新です。上記の通り下手っぴな文章なりに楽しんでいただけたら幸いです。
 前回は嫌がり描写多めでしたが、今回はしっかり即洗脳だらけでお送りしております。

 卑しい言い方を承知で言いますが、やっぱり更新頻度と閲覧数って比例しますよね。うん。
 それでも1000回以上閲覧していただけているのは素直に嬉しいです。まあ読まれてようと無かろうと好き勝手に更新していきますけどね。
 数字ついでで言えば、当ブログのカウンターもこの記事を書いている間に10000HITを超えたようです。あわわ、ありがとうございますありがとうございますっ!
 キリ番踏んだ人は踏み逃げせず掲示板に連絡――なんてされても特別にリクを受け付ける、なんてことはしませんので悪しからず。
 次にカウンターのことに触れるとしたら、6桁突入時にしましょう。っていつになるんだそんなの……。

 閑話休題。
 即洗脳はいいのですが、もう一つの目標である処刑台感がちゃんと書けているか少々心配です。もうちょっと、名前を呼ばれてから撃たれるまでの様子を詳述した方がいいかもしれませんね。
 あとは、男子の洗脳についてでしょうか。中3とは言えとても大柄な謙介が登場し、そしてハイレグ姿になりました。
 「変わりゆく~」然り、これ然り、自分の作品には大概、少ないながらも男が出てきます。「~憧れた少年」みたいなのも嬉々として書いてしまいます。嫌な人には申し訳ないのですが、原作でもショタとオッサンとジジイのハイグレがあるわけですので大目に見てもらえればと思います。
 一応弁明しておくと自分、完全に普通オブ普通です。ただ、ことハイグレとなると見境がなくなるだけで。
 ……一体何書いてんだ全く。

 口直しに小説王国のレス形式について、改めてちょろっと書かせてもらいます。
 今回の更新分は、物語内のいい区切りでレスを分けることができませんでした。それもこれも、小説王国の1レスの文字数制限が4000字(経験上3800文字前後の気がする。文字数のカウント定義がこちらのソフトと違うのか、バイトで計算してるのか、又は名前欄等本文以外の情報も含んでしまっているのかも?)のせいです。いや、この程度の不満で愛想尽かすわけではないのですが。
 先日リンク先のソラ氏がブログでSS投稿について言及していたので、こちらでも、と思いまして。
 自分の場合は小説王国・ブログどちらでも、一投稿で区切りのいいところまで一気に進めるスタンスでやってきています。因みに、文字数で言うと10000字前後が多いようです。
 そのメリットは、読む側ならば山場の途中でぶつ切りにならずに済むこと、書く側は一旦の休憩地点を設定できることで再開やテコ入れがしやすくなること。
 デメリットはこの裏返しで、長い間待たされることと大量に書かねばならないことですね。
 ただ言ってしまえば、どんな投稿の仕方だろうと投稿者の勝手ではありますから、色んな方法を模索するのもアリだと思います。
 極端な話、読者からしたら作者の存命が疑われない程度に適当な頻度で更新されてさえいれば充分なはずです。自分も他の方の新作を読むとき「エターナることだけはどうか……!」と思いますし。
 ということで、自分は今のスタンスのままやっていこうと思っています。こういうわけで皆さまにはいつもお待たせさせてしまっていますが、どうかご了承ください。
 ……ソラさんの復帰、密かにお待ちしております。因みに自分も執筆中はBGM付き(しかも多くは日本語の歌)です。

 「帝後学園の春」の次回更新日は、またしても未定です。とりあえずは残り半分なので、1回か2回で終わる予定です。
 ただ、この次に何に手を付けようかというのは決めてあります。そのとき、ちょっと「冒険」というか「殴り込み」をしようかなという思いが頭を掠めています。まだ決定ではないですけど。

 ではでは、またの機会に~
【二次更新:2014/08/16】





小説王国って最終更新から一年で削除されてしまうルールだったんですね。全然意識していませんでした
あれ? 今までに放置作品が削除された例ってあったっけ……?
とにかく更新さえすれば問題ないですよね。ということで364日と約23時間50分ぶりの更新となります
ギリギリセーフとは言え……本当に本当に長らくお待たせ致しました

作者自身でさえキャラクターたちを把握し直すのが大変だったくらいです。読者様の方としてもわざわざ作品頭から読み返させてしまったかもしれません
もしかしたらちょっと雰囲気が違ってしまったキャラがいると思われるかもしれませんが……今後はよりキャラ作りを固めよう、という反省点とさせていただきます
ただ、テーマである即洗脳の非情さは書きたいように書けたかなという感じです。あ、ボキャ貧も今後の課題とさせてください
今回分でようやくC組分が終了となり、次回で物語はラストとさせていただきます
……え? 入学式編はやらんのかって?
いやまあ、書きたいのは山々なんですけど他にも書くべき作品がいっぱいあるので……
なんて、一度書くかもと言ったものを書かないのも悪いので、ブログの方で短編的に書き殴るくらいはしようと思います

それを含め『帝後学園の春』を、この流れのままに最優先で執筆して参ります。もうしばらくだけお待ちくださいませ

改めて、『ハイグレ短篇集(参加自由)』を除けば一年振りの小説王国の更新となったわけですが、一年で『帝後学園の春』が4ページ目にまで追いやられるとは……
ここ最近はやはり、以前よりもだいぶ作品の更新に勢いがある、ということですよね。ハイグレ小説書きの端くれとして、また読者としてもとても嬉しいです
ただ、どうしても……。作品の巧拙や長短は二の次三の次で構いません。作者様にはとにかく、ご自分の作品をしっかりと完結させようという意気込みを持って挑んでいただきたいなと思います
作品を投げっぱなしでは読者としても煮えきりませんし、何より作者様も気持ち悪いはずです。時間はどれだけ掛かっても構いません(いや、そりゃなるべく早く完結、あるいはコンスタントに投稿継続するのがベストですけど、こんな自分がそれを言う資格はないと思いますし……)から、きっとそれだけは守っていただきたいな、と不躾ながら強く思っております
どうしても執筆し続けられないのなら、代筆を頼んでしまうのも手ではないでしょうか。この前、そんなことを言っていいたとっしーもいたことですし

……と、とにかく、人様のことよりまずは自分のことですね、はい
以後、出来る限り執筆中作品を放置しないよう、心がけたい次第であります
ではではー
【三次更新:2015/08/16】




どうも、香取犬です
長らくお待たせしました。オリジナル長編第二作『帝後学園の春』、これにて完結となります
とうとう最後まで『帝後学園』という固有名詞を辞書登録しなかったため、毎回『帝 後ろ(BackSpace) 学園』で変換していました。何故登録の一手間を惜しんだし
ちなみにうちのGoogle日本語入力IMEちゃんは、『は』と入力した時点で予測変換に『ハイグレ』を出してくれる頭のいい子です。なのでハイグレ小説執筆ではない打鍵時だとしても、決して誰にも背後を取られてはいけないのです

最後の方は、「今日こそ終わらせる!」と意気込んでパソコンの前に座りながらもほとんど執筆が進まない日々が続き、相当辛かったです。当初の予定の倍近く掛かってしまいました
理由の一つは、最終盤の華や鈴らを、どうやって『逃れられない死刑台』へと向かわせるか、という部分が想像以上に難産だったことです。これが本当に壇上にギ□チンが用意されていて、行かねばその場で射○されるという事態に遭遇したとき、勇気を振り絞ってでも何でもいいから自らタヒにに歩いて行けるのか、という話です。自分は多分無理です。番が来ても椅子から立てないと思います。だから進んでいける人たちの心情、勇気の理由をどうしたら良いか分からず、キーボードを叩けなかったのです
そう考えると、八月という時期のせいもあって、過去に思いを馳せてしまいたくなります
……ちなみにもしも自分が作中のようなハイグレ卒業式に出くわしちゃった場合でも、席を立てずに光線に撃たれることになると思います。いや、むしろそうなりたい。そして出来る限り抵抗するんだけどじわじわ洗脳されていって(以下略)

完結にあたり、色々と反省点が浮かんできました。いやまあ、一年間待たせてしまったというのはもちろんそうなんですけど、小説を書く上でのいくつか、という感じで。個人的な備忘録のようなものですので敬語も略ですし、読み飛ばしてもらって構いません

……

まず、キャラクター設定は登場時からしっかり作りこんでおかねばならない、ということ。対象はメインとかサブとか関係なく、最低でもモブ以外の全員。どのくらいまでかというと、頭の中にキャラのイメージが浮かび、キャラが勝手に動いてくれる・喋ってくれるくらいには
そうでないとそもそも、筆が進まない。いちいち書きながら考えていては、それは小説内でキャラたちが動いているのではなく、一人の作者が別々のキャラの役を兼任しているだけにすぎなくなってしまう
もしも執筆を中断してしまい、再開した際には、以前と全く同一のキャラをもう一度脳内に住まわせなければいけない。そのためには登場人物設定を固めておき、しっかり記しておくことが必要
逆にちゃんと設定とビジュアルを決めていた『小学生でも~』は再開が比較的容易だった。『帝後学園の春』では、特にキャラの外見には全くと言っていいほど記述(というかそもそもの設定自体)がなかった。加えて性格、口調、呼称などもあやふやで曖昧であった。この点において、『小学生でも~』は良いケースとして、『帝後学園の春』は悪いケースとして肝に銘じておかねばならない
そもそも主人公である華すらも頭の中に顔が浮かばないんだからどうしようもない。そんなことはあってはならない
キャラ設定について、究極的には可能ならば、作者は創りだした全キャラのことを好きになること。逆説的に言うと、作者自身が好きになれるキャラしか作らないことが求められると思う

第二に、シチュエーション重視のシナリオでは間が持たないし、ワンパターン化してしまう、ということ
『帝後学園の春』は「逃れられない死刑台」のシチュエーションを描くためのシナリオだった。しかも、最後の最後に洗脳される運命にある華の悲壮感、緊張感を高めるために、その他全ての洗脳シーンがあったと言っても過言ではない
だが、数が多すぎ、冗長に過ぎた。「折角書くならば色々なパターン(キャラの心情・境遇の意味で)を試したい」と思ってしまったため大勢の洗脳シーンを用意したが、『帝後学園の春』での洗脳過程には、"呼名→「卒業おめでとう」→洗脳"という一パターンしかなかった。これでは文章の言い換えのストックも早々に底をついてしまうし、マンネリ化してしまう。読者に、展開に既視感を抱かせることはなるべく避けなければいけない(勿論ストーリー上意図的な表現はOKだが)
話がズレるが、既視感の回避――同じ表現(展開)を避けることは古今東西を問わず文章の基本中の基本だ。同じ名詞、動詞、形容詞、接続詞などなどを、間を置かずに使いまわしてはいけない。どうしても使いたい場合でも、替えの効く言い回しを探すべきである
それはさておき、「最後の最後に洗脳される運命」と言えば処女作の『変わりゆく~』でもそうだったのだが、こちらの洗脳シーンはどれも学校内の逃走劇の一場面であったため表現が自由で、パターンのマンネリ化は比較的防げた。そう考えると、『帝後学園の春』ははっきり言って、題材選びかその表現方法といった根本的なところにミスがあったのかもしれない
せめて、華と友人六人に焦点を絞り、その描写を濃くしていくほうが良かったのでは、と思う

……

とまあ厳しめの自己批評をしておいて、今後の糧にしようと思います
これだけ書いていますが、自分としてはこの作品自体は変わらず好きです。ただもっと面白くする方法があったんじゃないか、という反省をしているだけです

そう言えば生徒名を考えるにあたってこの前、過去作まで含めてキャラクター名を集めてデータベース化したのですが
……やっちまってますなぁ、名前被り。しかも4組も。1組は漢字違い、2組は片方はカタカナ名ながらも同音、もう1組は漢字まで同じで、後ろの3組のそれぞれ一人ずつが『帝後学園の春』内にいます。誰のことか分かったあなたには、香取犬以上に香取犬作品に詳しいという香取犬マスターの称号を与えます。……え、いらない? ですよねー
なんだか、これまでに150人以上のキャラクターを創ってきたみたいです。まさか名有りキャラがそんなにいるとは思いませんでした
もし名前が被ってしまっていても、少なくとも現段階では別作品同士のクロスオーバーのようなものは考えていません。いつかやってみても面白いと思いますが

キャラクターと言えば、女主人公(基本平凡+1要素)&女サブキャラ(大人しめ、人懐っこい)のコンビが無意識に好きなんでしょうかね、自分の作品はほとんどこのパターンな気がします
(そんな鈴ですが、第一更新時には友人に「ちゃん」付けをしていないんですよね……おそらく第二更新の時点で、第一で清香が行っている「ちゃん」付けを鈴のものと勘違いしていますね。本当にもう、全然キャラが固まって無いがゆえのミスです。反省)
そうと気づいたからには新作を書くときには意識して変えてみたいですが……そうすると話を上手く展開させられるかどうかですね
男主人公に対しての女ヒロインなら、どんなタイプであれ可愛く書く方法はいくらでもあると思うんですけど。女の子だらけというと日常系アニメは大好きなんですけど、あれって大概ストーリーがないので参考にできないんですよね。ストーリーがある日常系――今話題のアレなら、ゾンビをハイグレ人間に変えれば万事解決ですけどね。アレはアレで楽しみにしています

では最後に、『帝後学園の春 入学式編』を適当に軽く書いて終わりに致します。と思っていたらそこそこの短編レベルに書いちゃいましたので心してお読みください
なお、小説王国内に書かずわざわざこちらに書いたのは、そそくさと書いたので文章の出来をあまり気にしたくなかったのと、こちらの終わり方が何となく歯切れが悪いからというのと、卒業式までできっかりと作品を終わらせたかったからです。ご足労を掛けてしまいすみませんが、お許しいただければと思います




【アフターエピソード】帝後学園の春 入学式編


「これより、帝後学園高等部……入学式を、挙行いたします」
 内部進学生とその保護者は一斉に躊躇いなく衣服を脱ぎ捨てて、色鮮やかなハイレグ水着姿となって腰を落とした。
「「「「「ハイグレ!!! ハイグレ!! ハイグレ!!」」」」」
 この事態を全く聞かされていなかった者たちが、悲鳴を上げたり腰を抜かしたりなどという、至極真っ当な反応をする中で。
 ――世にも奇妙な“入学式”が始まった。

 綺麗に揃ったハイグレコールのあと、ハイグレ人間たちは何くわぬ顔で席に着く。事情か飲み込めず気圧された外部入学生を置き去りにしたまま、
「入学生点呼。1年A組。安藤帆乃佳」
 A組担任の女性教師が、今年もA組の1番となった帆乃佳を呼ぶ。帆乃佳はその場ですっくと立つと、水色のハイレグ水着姿で股を開く。そして、人間が見るには堪えないような奇怪な行動を、あろうことか女子高校生が臆面もなくするのだった。
「ハイグレっ! ハイグレっ!」
 人間たちは再び呆気にとられる。この子は、この水着の人たちは何を、何のつもりでやっているのだろう、と。
 続いて、
「幾島由良」
「はいぐれ、はいぐれ」
「井村謙介」
「ハイグレッ! ハイグレッ!」
 同じく色違いの女性用ハイレグ水着に身を包んだ男女の生徒が、同じ行動をする。
 それを見て次の生徒――外部入学生、江崎聖奈は頭を巡らせる。
 ……こ、この学校ではこのポーズが挨拶、ということなのかしら……?
 聖奈は周囲の空気を読むことが得意で、また変に真面目であった。
「江崎聖奈」
 だから自分の番が来たときに、聖奈は少々の恥じらいをかなぐり捨てて、
「は、ハイグレ、ハイグレ」
 見よう見まねでスカートの上から下腹部を二度、両手でV字を描くようになぞったのだった。ただ、足は肩幅の1.5倍ほどに広げているが腰の高さはそのままで、腕の動きもとても小さい。それでも聖奈の頬は、羞恥心に上気する。
 ……これ、思ったより恥ずかしい……!
 しかも周囲の視線も感じる。皆はあのもっと恥ずかしい格好でやっているポーズを、自分は制服のままでしてよかったのだろうか。そんなことを思いながらも何も咎められなかったため、そそくさと椅子に座ってしまった。
「岡本乃理」
 順番が次の女子に移ってくれたので、聖奈は胸を撫で下ろす。乃理と呼ばれた彼女もまた、未だ制服を着ている外部組であった。
 ちなみに帝後学園高等部の制服は、上は紺のブレザーで男子はネクタイ、女子はリボンを着用、下も同色のスラックスとスカートとなっている。何故か制服の購入時に、制服保険なる契約を無料でしてくれると、購入者は全員販売員から説明を受けたのだが、その時点で保険の意味を知っているものは皆無であった。
 乃理も聖奈同様、最初三人のハイグレポーズに面食らっていた人間だ。だが、水着を着ていない人がどうすれば良いのかは、聖奈が身体で示してくれた。だから乃理はその真似をしようとする。が、
「は、はい! え、えっと……」
 一声目の返事は、義務教育九年間で培われてきた、先生に名前を呼ばれたときにする一般的な返答。次の戸惑いは、
 ……返事しちゃったし、あの変なことはしなくても……怒られないよね?
 という逃避思考によるものだった。ハイグレのポーズをするタイミングを逸した乃理は左右をキョロキョロと見回し、腰を下ろそうとした。
 そのとき。乃理の頭の斜め上から高速で迫ってきたものが、彼女を襲った。
「きゃ、きゃあああああ!」
 ……え、えぇっ? 何なのぉ!?
 乃理が、浴びせられたピンク色の光の効果を知ったのは、光が新品の制服とともに消えてなくなってからだった。突如としてピンク色のハイレグ水着姿に変貌した乃理は、今までに感じたことのない着心地にうろたえているうちに、身体が勝手に動いてしまった。
「あ、え、は、ハイグレ! ハイグレ! ……な、何で……?」
 自分の身体が一瞬、自分のものではなくなったような感覚がした。なのにポーズを取ったときに不思議な快感を覚えてしまい、
 ……恥ずかしかったけど……気持よかった……!
 そんな気分のまま着席をした。

 以降の生徒は、主に三通りの行動のどれかを行った。まず、既にハイグレ人間である内部進学生は全員、ハイレグ姿でハイグレポーズをとった。次に聖奈のように、とりあえず制服のままでポーズを真似し、事なきを得た者。そして乃理のようにポーズに失敗し、あるいはもっと頑なにポーズを固辞するも、洗脳効果の薄いハイグレ光線を浴びせられた者。
 結局、全新入生の点呼の末、制服を着たままで終わったのは十名程度であった。
 だがそんな十名も、この学園に在籍することになってしまったからにはハイレグ水着から逃れることは出来ないのだった。

 1年A組の教室へと入り、黒板に掲示されていた席順に従って自分の位置へと向かった聖奈。慣例通りであれば名前順のままに、どうせ壁際の席だろうと思っていた聖奈は、教室のド真ん中の席を充てがわれて多少驚いた。が、それ以上に驚いたのが、
「江崎さん、これからよろしくね! ハイグレっ!」
「よ、よろしくお願いします、ハイグレ! えっと……安藤さん」
 生徒たちの挨拶が本当に全て「ハイグレ」のみであり、生徒たちの普段着が本当に全てハイレグのみだということ。しかも男子までそうなのだから、変態だとか思う前にまず目のやり場に困ってしまう。
 聖奈は帆乃佳の挨拶に対し、何が何でもハイグレで返さなければ大変なことになる、と強迫的に思い、慌ててポーズをとった。
 そこに、
「ハイグレっ! 帆乃佳、久々にクラス一緒になったね!」
「華! それに鈴も! ハイグレっ!」
「ハイグレッ! わたしは帆乃佳ちゃんとは初めて一緒だよね」
「でも華といつもいたから、初めてって感じしないなぁ」
 楽しげに帆乃佳とハイグレポーズと会話を交わす、赤ピンクのハイレグの華と、灰色のハイレグの鈴がやって来た。帆乃佳の友達とみて間違いないだろう、と聖奈は思う。だから先手を打って、
「あの――ハイグレ! 私、外部生の江崎聖奈です。よろしくお願いします」
 と二人に自己紹介をしておいた。こういった中高一貫校では、内部生と外部生の間には結構な確執や溝があるという。故に高校生活を孤立して過ごさないよう、聖奈はこの機会に友人を作ろうとした。しかも自分の他にブレザーを着ている人はいなかったため、入学式で光線を浴びせられた外部生がどれほどいるのか分からなかったのもある。一応、自分の直後に撃たれた乃理のことだけは覚えていたが、席が遠く話しかけに行きづらかったのだ。
 すると二人はすぐに、
「ハイグレっ! よろしく! あたしは渡瀬華。で、こっちが」
「竜堂鈴です。これから一年間よろしくね。ハイグレッ!」
 とフレンドリーに返答してくれた。聖奈はとりあえず安堵する。
 少し会話をし、三人と打ち解けられたかというところで、聖奈はずっと聞きたかったことを聞く決意をした。
「あの、一つ聞いてもいいかしら?」
「ん、何?」
 深呼吸をして落ち着かせてから、
「皆……いえ、この学校では、これが普通なの?」
「これって?」
 鈴がきょとんと首を傾げる。帆乃佳と華も同様だ。そんな反応に胡散臭さを感じる聖奈だが、ここまで来たら戻れない。
「だって、男子まで女物の、しかもハイレグの水着で、挨拶の代わりに"ハイグレ"って――」
「――はい席に着いてー」
 だが、丁度問いを遮るタイミングで、赤いハイレグの女性教師が教室に入ってきた。抱えてきた二箱のダンボールを教卓に置き、室内を見渡す。
「ごめん、あたしたち戻るね」
「え、ええ」
 そう言って華と鈴は窓際の席へと行ってしまう。帆乃佳の席は聖奈のすぐ前だったので、彼女の水色の肩紐の間から大胆に晒された白い背中が、否が応でも目に入った。
 教師は生徒の様子を改めて眺める。室内にハイレグ姿でないのは聖奈一人のみ。残りの外部生である男女それぞれ一名はハイレグを着せられており、モジモジと落ち着かない態度をしていた。
「それではホームルームを始めますよー。起立!」
 若い教師がよく通る声で号令を掛ける。生徒たちは全員従順に従う。そして、
「――ハイグレ!」
「「「ハイグレ!!!」」」
「は、ハイグレ!」
 帆乃佳だけは一拍遅れてしまったものの、その他全員は綺麗に揃ったハイグレポーズを行い、空気を震わせた。それから席に着くと、
「皆さん、帝後学園高等部への入学、おめでとうございます! ま、大体の人たちは中等部からの内部生でしょうけどね」
 と、軽妙に祝いの言葉や学校生活についてを語っていく。その最後の方になって、
「ではでは、外部生の皆さんはちょっとこっちに来てくれます?」
 と聖奈らを教卓へと招いた。他に立ち上がったのは、ピンクの水着の乃理と、青の水着の男子だ。どちらも股間を腕で隠すなど、まだとても恥ずかしそうにしていた。思わず聖奈が目を合わせると、二人は小さく会釈してくれた。やはり訳も分からず、心細いのだろう。聖奈も会釈を返す。
「さて、江崎聖奈さん、岡本乃理さん、そして古田雷也くん。もう色々見たと思うけど、この学園では登下校中を除き、生徒は常にこんなハイレグ水着――ハイグレを着用することが義務付けられています!」
 先生は口を開くなり、三人が何となく覚悟していた常識外の規則を述べた。聖奈が訊ねる。
「つまり、それが制服、ということでしょうか?」
「まあ事実上そんなとこかな。今はまだ外をハイグレ姿で出歩くわけにはいかないから、登下校中にはそういう人間の服を着ることになるけどね」
 三人が戸惑い目を合わせるが、先生は気にせず続ける。
「そして、挨拶はもちろん『ハイグレ!』で統一! ポーズの練習もしといてね?」
「あの……どうしてもしなきゃいけないですか? その、恥ずかしくて……」
 乃理は控えめに聞くが、
「うん、絶対。――恥ずかしくなんてないよ。ここのハイグレ人間はみんなそうしてるんだし、すぐ馴れるって! ハイグレ!」
 とあっさりと断られてしまう。続いて口を開いたのは、雷也だった。
「先生。オレたちさっきいきなりこうされて……制服、なくなっちゃったんスけど」
 乃理も強く頷く。すると先生は待ってましたと言わんばかりに笑み、片方のダンボールを開いて中身を取り出した。現れたのは、男女それぞれ一着の制服一式。ワイシャツとネクタイ、リボンまであり、サイズからしてもこの二人用であるように見えた。
「実はこういう時のために制服保険ってのがあるのです。光線を浴びたり何なりで制服がなくなっちゃっても、学校にはいろんなサイズの制服が常備されてるから安心してね。じゃ、これを二人にどうぞ」
 と、乃理と雷也は新品の制服を受け取った。が、下着が戻ってきたわけではないので水着の上から着ることを決断出来ないでいると、先生が今度は聖奈へと、もう一つの箱の中身を差し出した。
「で、あなたにはこっち」
「……これ、水着……ですか?」
「うん、ハイグレだよ。あなたもここの生徒なら、ちゃんとハイグレ姿にならないとね!」
 聖奈の心臓が跳ねる。入学式では機転を利かせたお陰で回避できたものの、やはり自分もこの姿にならなければいけないのか、と。
 ……いくら皆が同じ格好をしていても、流石に……!
 ビニールに包まれた鮮やかな黄色のハイレグ水着を前に、狼狽える聖奈。
「A組の更衣室は廊下を進んで右側にあるから、早速着てきてね。あ、でもまだ恥ずかしかったら、ハイグレの上から制服を着てもいいですからね。そちらの二人も」
「は、はい……」
「じゃ、三人も早く立派なハイグレ人間になりましょうねー! ハイグレ!」
「ハイグレ……!」
「は、ハイグレ」
「あ、えっと、ハイグレっ!」
 まだ抵抗感が大きいハイグレポーズを、三人は行う。そこでチャイムが鳴り、休み時間が始まったので先生は手を振って去っていった。
 背後ではハイグレ姿の生徒たちがお喋りを始める。そんな中取り残された、外部生三人。「あの!」と声を出したのは、頬を染めた乃理だ。
「あの、江崎さん。更衣室に一緒に行っても、いい?」
「え、ええ、もちろんよ」
 水着の上に服を着るのなら、わざわざ更衣室に行く必要はない。だが同じ境遇の聖奈と接点を持つには、うってつけのチャンスであったのだ。
 ついでに、と聖奈は男子にも尋ねてみる。
「そうだ。どうせなら、一緒に更衣室の場所見に行く? 古田くん」
「あー……オレはいいや。ここで着る」
 決まりが悪そうに、制服を抱えていない方の手で頭を掻く雷也。続けて、
「でも、お互い大変なことになっちまったな。これから頑張ろうな、江崎、岡本」
「そうね、よろしく」
「よろしくお願いします、古田くん」
 と、外部生の三人は団結力を高めるのであった。
 そうしてハイレグ姿の男子に早くも囲まれた雷也を置いて、女子二名は更衣室へと向かう。二人きりの静かな部屋で、聖奈はブレザーとスカートを脱いでいった。その様子を乃理は黙って見守る。自分だけが先に服を着てしまうのは申し訳ないと思ったからだ。
 下着だけの姿になったところで、聖奈はビニールを破り水着を取り出した。肩紐部分を持って掲げると、なるほど確かにえげつないほどの急角度の足ぐりがそこにあった。同じワンピース型の水着でも、スクール水着とは色や重さから生地の薄さまで全く違う。よく伸びそうではあるが、こんなに小さなサイズを着たら窮屈ではないか、とも思った。
 ……でも、着なきゃいけないのよね……。
 聖奈は教室で感じた疎外感を思い出す。水辺ではない場所での水着姿は異様な光景に見える。が、それが全員ともなると、逆に制服を着ている方が目立ち、異常なのはこちらなのではないか、と思えてきてしまうのだ。
 一応、この後は乃理と雷也も服を着てくれるということにはなるが、いつかは自分たちもハイレグ一枚の姿で生活するようにならねばいけなくなるはずだ。
 ……何でこんなことになってしまったのだろう……。
 後悔をしても全ては手遅れ。せめてもの慰めは、皆が同じ格好である故にデザインに感じる恥ずかしさが多少は和らげられている、ということ。
 ハイレグを着る前に、既に着させられてしまった一般人の感想を聞いてみようと思う聖奈。
「岡本さん。このハイレグって、どんな感じがするのかしら」
 すると乃理は見る見る頬を上気させてしまう。顔を背けつつ、答える。
「え、えっと……やっぱりすごく恥ずかしいよ。私、あんまり身体に自信ないのに、ラインがすごく出ちゃうし。それに色んなとこが際どくって、動くときも気をつけないと見えちゃうかもしれなくて……」
 ……想像はしていたけど、やはりとんでもない格好ね……。
 ため息しか出ない。そこに、「けど」と乃理は続ける。
「恥ずかしいんだけど……実は、すごく気持ちよくって……ずっと着てるのも、わ、悪くないかもー、なんてちょっと思っちゃって……あ、で、でもちょっとだけだよ!?」
 自分で告白しておきながら顔の紅潮をより激しくし、最後には慌てて否定するように手を振る乃理。そして消え入るような声で、
「このままあのポーズをやったらどうなっちゃうかな、なんて……考えてないからね……?」
 と呟いた。聖奈はそれは聞かなかったことにして、遂に覚悟を決める。下着も脱いで一度全裸になった後、腰を屈めてハイレグに片足ずつ通していく。
 ……私も……ハイレグ姿に……。
 胸の鼓動が高鳴るのは、恥ずかしさや緊張のためだけではない。少しだけ好奇心が混ざっていることも自覚しつつ、聖奈は一気にハイレグを引き上げた。
「――ぅひゃぁ!?」
 思わず変な声を出してしまい、反射的に口を抑えた。水着は、へその辺りまで上がった状態で肩紐を枝垂らせている。
「ご、ごめんなさい。あんまりくすぐったくて、つい……」
「う、ううん、気にしないで。気持ちは分かるから……」
 くすぐったくて、と言ったが、だいぶオブラートに包んだ言い方だった。
 ……き、気持ちいぃ……じゃ、じゃなくて!
 電撃のような快感に溺れかけた意識を、必死で叩き起こす。そして胸の膨らみを整えながら引き上げて、両腕を順番に通して着用を完了させた。
「ふぅ……終わったわよ」
 気を遣ってか後ろを向いたままだった乃理に言う。乃理はおずおずと振り返り、
「江崎さん、よく似合ってる……!」
「そ、そうかしら?」
 手足が長く均整のとれた15歳の肉体が、黄色のハイレグ水着によって更に引き締められている。乃理は羨ましげに嘆息を漏らした。聖奈にそうした自覚はなかったが、褒められて悪い気はしない。
 聖奈はハイレグ姿になった自分を、見下ろしたり手で触れたりして確かめる。裸でいるよりも、裸体を意識してしまうような格好だと思ったのが第一印象だ。胸はともかく、下腹部の不安な感じがそう思わせる。だが、何故かその心もとなさが逆に鼓動を早め、結果として吊り橋効果のように興奮を引き起こしてしまう。
 ……これじゃあ私、変態みたいじゃない……!
 露出に興奮しかけている自分に嫌悪感を抱きつつ、早く教室に戻るためにスカートに手を伸ばす。が、その直前に。
「江崎さんっ」
「何?」
「もし良かったら、その、一度だけ……一緒にハイグレの練習、しない?」
 清水の舞台から飛び降りるかのような覚悟で、乃理は聖奈を誘った。一人でするのは変態みたいだが、新参者の二人でやるなら練習という建前ができる。
 それに対し、聖奈は一瞬戸惑いつつも、
「……分かったわ。時間もないし、一度だけよ」
 と、仕方ないというように答えたが、実際の心の中はとても高揚していた。
 ……さっきまでとは違う、本当のハイレグでのハイグレポーズ……一体どんな感じがするのかしら……!
 二人向き合い、互いのハイレグ姿を眺める。たった一時間前まで、こんな未来が訪れるとは夢にも思っていなかった。だが既に、新たな世界の入り口に彼女たちは立ってしまっている。あとは勇気を出して、そこに踏み出すだけ。
「えっと、こう……かな」
「もう少し足を広げていたような気がするわ」
「うぅ、やっぱり恥ずかしいかも……」
「岡本さんから言い出したんじゃない。――さ、やるわよ」
「う、うん」
 構えを修正し終え、そして、
「ハイグレッ!」
「ハイグレっ!」
 声と動きを合わせて、二人は人生初のハイグレポーズをした。刹那、身体の芯を快感の波が駆け抜ける。二人とも肘を上げたままで、気持ちよさの余韻のために固まってしまう。
「っ……はぁっ……!」
 ……まさか、こんなに気持ちいいなんて……。
「あうぅ……っ」
 ……こんなの、おかしくなっちゃうに決まってるよ……!
 たった一度のハイグレによって、二人はすっかりハイグレの虜になってしまった。しかし、ポーズは一度だけという約束。
 ――もしもう一度ハイグレをしたら、自分がハイグレを気に入ってしまったことがバレてしまう。折角この学園で普通の人間に出会えたのに、自分だけ早くもハイグレ人間側に堕ちてしまうわけには行かない。だから、このことは隠しておかないと。
 と、全く同じことを聖奈と乃理は心の中で考えていた。が、その事実を互いが知ることはない。
「……戻りましょう」
「そ、そうだね」
 どことなくぎこちなさのあるやり取りをし、二人はそそくさと水着の上からスカートを穿き、ワイシャツとブレザーを着た。これで見た目は普通の人間だが、下着代わりとなっているのは特殊なハイレグ水着。一歩動くだけでも、その存在を服の下から肌へ直接主張してくる。
「何か、落ち着かないなぁ……」
 乃理の独り言に、聖奈は内心で頷く。ただ、落ち着かないのは水着を着込んでいるからというよりは、
 ……こんな服、どうせ皆は着ていないのだから、脱いでしまいたいわ……。
 自分たちだけが大勢に逆らっていることに、違和感を覚えてしまったのだった。休み時間が終わりかけの廊下を通って行くのに、すれ違うハイレグ姿の生徒を見る度に、その思いはより強くなってしまう。
 ……どうしよう、いつ脱いでしまおうかしら。でも、一日二日でハイレグになってしまったら、岡本さんや古田くんに申し訳ないわ。せめて一月、いえ、二週間くらいは時間を空けて、次第に慣れていった体にするべきよね……。
 聖奈は脇腹、ハイレグの切れ目が終わる辺りを触り、着心地を確かめる。これを晒して歩けたらどれだけの開放感があるだろうか、などと考えながら。
 そしてやはり同じようなことを隣の少女も考えていることには、終ぞ気付かないのだった。
「あ、江崎さんたち帰ってきた」
 帆乃佳たち三人が、教室に戻ってきた二人に気づき、声を掛ける。二人は吸い寄せられるようにそこへ行く。乃理と三人が自己紹介をし合った後で、華が尋ねてきた。
「それで二人とも、今ハイグレ着てるの?」
「ええ、中に着てきたけど」
「ほんと? じゃあ見せてくれる?」
 目を輝かせる鈴に、聖奈と乃理は顔を見合わせる。着ていることをどう証明しようかと考えたとき、一番最初に浮かんだのがスカートをめくることだった。なのでそう言うと、
「でもそれ恥ずかしいよ……」
「どうせ下着じゃないのだし、減るものじゃないわよ」
「う、うん……」
 説得を果たし、聖奈と乃理は三人の前に並んで立った。そして、
「うぅ……っ!」
「これでどう?」
 乃理は顔を真赤に染めて、スカートの裾を両指先で摘んで中身を少しだけ晒した。内股の大腿は羞恥心と緊張汗ばんでおり、その上ではピンク色の生地がピタリと形を成して張り付いているのが、華たちには確認できた。
 対して聖奈の表情は平静そのものであった。紺色のプリーツスカートを大胆なまでにたくし上げて、黄色の水着の鋭い部分を恥ずかしげもなく見せつけた。しかしそんなおとなしい様子の内側で、聖奈は心臓の鼓動を早めていた。
 ……見られてる……私のハイグレ、皆に見られてるぅ……!
 三人の視線が集中していることを意識してしまうと、聖奈は徐々に下腹部に熱いものが溜まっていくのを感じてきた。これ以上続けば溢れてしまう。
 が、ここで丁度チャイムが鳴り響く。時間にして十秒といったところだったが、二人には何倍にも何十倍にも思えた。聖奈と乃理はほっと胸を撫で下ろして手を離した。
「ありがとね、二人とも。早く二人がハイグレ人間になれるといいね!」
 華がそうエールを送り、鈴と席に戻っていく。乃理もコクリと頷いて離れていき、聖奈は帆乃佳と同時に椅子に座る。
 するとすぐに先生が帰ってきて、三人の様子を確認してからホームルームの続きを始めるのだった。
 聖奈は先生の話を聞きながら、密かに股を開いていた。そしてスカートの上から両腕で小さく、股間の辺りを擦り上げる。同時に、唇は声を伴わなずに「ハイグレ」と動く。
 今すぐハイグレしたい。そんな思いを、今のところは隠したままで。

 ハイレグのせいで何かに目覚めてしまった聖奈も、まだ恥ずかしがりながらも欲望を秘めた乃理も、男の身ながらも女性用水着を着せられてしまった雷也も、入学からしばらくすると周囲のハイグレ人間たち同様、心からハイグレを好くハイグレ人間となっていったのであった。
 そうして、帝後学園の春は過ぎてゆく……。

   *完*




改めてあとがきその2です

「みんな同じ服装になる」というのが、自分が好きなハイグレの要素の一つです
でもこれって「制服」と共通する要素ですよね。世の中には様々な職業の制服が溢れており、それぞれがそれぞれの職業をよく表すシンボルとして活用されています
で、一つの場所に制服が複数存在する場というのが、「学校」なのです。俗に言う学ラン、セーラー、ブレザーなどの制服に始まり、体育では体操着、プールではスクール水着、給食なら白衣を着たりもします(体操着を掃除の時間や、校内では常に着る学校もあるみたいですが)
学校ってすごいです。シチュエーションによって児童生徒たちが次々に制服を着替えて、(男女差こそあれど)みんな同じ服装になるんですから
そんな学校の制服を、ハイグレ一つにしてしまったのなら――自分の作品の舞台に学校が多いのは、物語の題材としてセオリーであるからは当然のことですが、それと同じぐらいに「セイフク欲」があるからでもあります

帝後学園の高等部は、まさにハイグレが制服だというパラダイスなわけです。そこを全く書かないのはやはりもったいないので、こうして書かせていただきました
そんでもって、そんな異常な場所に普通の人間が(転入などで)入っちゃったらーみたいなのもよく妄想します。そこで、このようなお話になりました
実はそうしたシチュで、全くの別作品として構想を一つ練っていたのですが、ここで流用しちゃったのでそれは一旦放棄ですかね
折角なので下に反転で投げ捨てておきますので、もしもこのアイデアを作品化してくれる方がいたら改変含めご勝手にどうぞ

とある中学校(高校)の一年終了時に一度転校して丸一年後、三年生進級時に戻ってきた双子。すると学校の制服お挨拶も全てハイグレに変わっていた。二人の転校直後に、全てが変わったのだった
 二人は常識の変わり果てた友達からハイグレを勧められて困惑する。先生からも「はいこれが制服。明日から着てきてね」とハイレグを渡されてしまう
 片方は真面目。恥ずかしながらも規則だからと着て行き、一週間程度で順応
 もう片方はツンデレ。元々変態趣味があり、はじめからハイグレに興味はあったが、そう思われたくなくて逆に拒んでしまう。頑なに以前の制服を着て登校する。頑固な自分を、自分でも後悔する。が、やがて家の部屋でハイレグを着ているのを双子に見つかり、観念してハイレグで学校へ行くようになった

とこんな感じで

あとそうそう、自らスカートたくし上げなんてシーン、こういうときでもないと書けなかったのでぶっこませて頂きました
スパイでなくてもこういうの、いいと思います

では今度こそ本当に終わりです。こんなに長々と読んでいただき、ありがとうございました
次回は……もう言っちゃいますか。『小学生だってハイグレ人間だよ!』を完結させるつもりです
それではー
【最終更新:2015/08/28】
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tag : オリ小説 帝後学園の春

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はじめまして、香取犬さんのハイグレ小説楽しく読んでいます。
帝後学園の春が更新されてうれしいです
なかなか大変でしょうがこれからもハイグレ小説の執筆頑張って下さい、応援してます

No title

帝後学園の春完結お疲れ様です。
今回の洗脳はどれだけの精神力があっても例外なく即堕ちで
数分は抵抗できるハイグレ光線よりもさらに絶望感がありそうで、諦めたり
それでも諦めず抵抗しようとしたり、むしろ逆に即洗脳である事を喜ぶといった
即堕ちならではの残された生徒達の反応の違いなど楽しめました

質問なんですが、今回の卒業生の兄姉が帝後学園出身なら
保護者か本人が卒業式始まる前に洗脳されている可能性もありそうですが
今回そのようなケースの保護者生徒がいなかったんですかね
割りと兄弟姉妹で同じ学校ってパターン多そうですから
何かしらの描写を見逃していたら申し訳ないですが

No title

完結お疲れ様です!

今までなかった系の話だったからこそ、目新しさがありましたし、洗脳されるまでの絶望感が抱かれていてよかったです!
楽しませてもらいました!
アフターエピソードの方も面白かったです。
三人の今後が気になりますね!というか、なまじ仲間がいるから辛い目に遭ってる気が……。

あとがきの自己批評部分も、読んでいて(自分は関係ないのですが)いろいろ参考と勉強になりました。
ありがとうございます。

改めて、完結お疲れ様でした。
次回も頑張ってください。

No title

お名前の「ハイグレ人間○」さん方の○部分がAからZまで埋まったあとは、「ハイグレ人間AA」「ハイグレ人間AB」になっていくんですかね?(Excel並感)
冗談はさておき、いつもコメントありがとうございますです


>ハイグレ人間C氏
読んでいただきありがとうございました
洗脳過程をじわじわ楽しみたい自分としては、本作の即洗脳設定は結構冒険した感じになりましたね。でもとても楽しかったです
書き終えてみて、ゆっくり洗脳にも即洗脳にも、それぞれに醍醐味があるということを再確認できました

>質問なんですが、今回の卒業生の兄姉が帝後学園出身なら
>保護者か本人が卒業式始まる前に洗脳されている可能性もありそうですが
>今回そのようなケースの保護者生徒がいなかったんですかね
もちろん今回出席していた保護者の中には、実際にそういう人はいました(cf:レスNo3『保護者席でこれまで妙に落ち着き払っていた数名も、同じように不敵に笑っていた。』)。その人たちは仰るとおり、兄姉らの卒業式の際に洗脳されてしまっています
ただし学園の方針として、これからの将来を担う子どもたちへ洗脳を施すのは、なるべく中等部の教育(=無意識下にハイグレ人間の考え方(ex:上の者には絶対服従)を染みこませる教育)を修了させてからが望ましい、というふうにしています。手段が何にせよ、社会に役立つエリートを多数輩出するのが学園長の目的ですから
なので、中等部を卒業してハイグレ人間となった兄姉やその保護者は、弟妹が帝後学園に入学する可能性がある限りは基本的に洗脳したりはしません。入学を強く薦めるだけです(家族にハイグレ人間がいる受験生はそれだけで合格確定)
こうして、今回の卒業生の中に卒業前に洗脳を受けた生徒は幸いにも0だった、ということでした
作中の弓原清香・楓香姉妹のような関係で、楓香が帝後学園に入ったようなパターンも今回はありませんでした

(↑ここまで建前 ここから本音↓)

そういうパターンの可能性ははじめから想定していましたが、どうしても卒業生"全員をこの場で卒業"させたかったので、既にハイグレ人間だったパターンは省いてしまいました
「隠しててごめんね。実はあたし、二年前にお姉ちゃんから洗脳されてて、とっくにハイグレ人間だったんだ。今まで隠すの大変だったけど、これからはやっとみんなとハイグレできるから嬉しいよ! ハイグレ! ハイグレ!」
みたいな子がいても、周囲の反応含めて面白かったのかもしれません。しかし、既にハイグレ人間な子が"この卒業式"に出る理由はありません。ならばいっそこういうイレギュラーは初めからいない方が、統一感というか無機質なハイグレ人間製造工場感があって良いと考えました
じゃあ上の建前は何だ、って? 七割は今考えた後付けです
……まあどちらにせよ、作中でもう少し明記しておくべきだったかもしれませんね。ご指摘ありがとうございました


>ハイグレ人間T氏
今回色々新しいことに挑戦したなかでも、ハイグレ魔王もパンスト兵も一切登場しない時点でハイグレ小説として異例の構成かもしれませんね
(なお、学園長の裏で魔王が糸を引いている、などの設定は全く考えていません。その可能性を否定はしませんが)

そうですね……雷也はわりかし早く服を脱ぎそうです。男子高校生特有のノリ(乃理のことではなく雰囲気の意味で)ってありますし、周囲の男子もハイレグだから抵抗感は薄いはずです
女子である聖奈と乃理は、雷也が脱いでしまったことに失望と羨望を感じつつ、きっともうしばらく耐えると思います。たとえ周囲から孤立しても二人で支え合えてしまいますからね(内心では二人とも今すぐにでも脱ぎたいのに!)
さらに先の展開を考えていくと、女子同士のドロドロいがみ合いやら、内部生vs外部生の対立だのが起きそうで大変なのでここまでにしておきます
が、結局は数ヶ月で全員ハイレグ姿です。めでたしめでたし

>創りだした全キャラのことを好きになること
ってのは実はどこかで聞きかじった言葉ではありますが、本当に本当に大事なことだと思っています
自分が好きな物事だからこそ、他人にその好きを伝えることができるのですから(←これも受け売り)
プロフィール

香取犬

Author:香取犬
ハイグレの洗脳を受けて早幾年
遂に自らハイグレ小説を書くようになってしまいました
いつでもネタ募集中です
酉◆RYenwqtp9Y

関連リンク
新興宗教ハイグレ教
 →ハイグレアイドル候補生!
ハイグレ小説王国
 →変わりゆく若人たち
 →帝後学園の春


*応援しています*
ハイグレ第参ホール by参式
悪堕ち・洗脳・ハイグレ 絵とSSのひととき by正太郎
ハイグレ帝国史 byソラ
ハイグレストーリー! byナッシー
ハイグレ小説を書きたいだけの人生だった……。 by0106
ハイグレSS秘密研究所 byぬ。
くもりのちはいぐれ byなまもの
ZweiBlätter by空乃彼方
ハイグレ創作喫茶 byボト


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