【4/1】しょうせつかいたよ!【4/1】
ねーみてみて!
ぼくね、はじめてしょうせつかいてみたの!
まだとちゅうなんだけど、がんばったからよんでよんで!
序章 ~会話~
二人の男が、校舎内にて話し合う。
「――を――に対して――るのはいか――うか?」
「ほほう、それはいい。では明日の午前10時に計画開始だ――!」
一回目 ~水着~
①先生方。
「それでは、私はこれで。」
小学一年三組の担任、木枯は、朝の会が終わった8時40分に、職員室に引き上げた。
ろうかを歩きながら、木枯はにやりと笑った。
「おお木枯先生。」
「おはようございます、校長。」
「さあ、こっちへ。」
校長にうながされ、木枯は校長室に入った。
「さて、そろそろ先生達が全員こちらへ来るだろう。君は『アレ』の準備を。」
「はい。では放送室に行ってます。」
「校長!どうしたんですか!?」
「おお、皆そろったか。では説明しよう。」
――これからするのは、『ハイグレ水着鬼ごっこ』というものじゃ――
「は、ハイグレぇ?なに言ってんすか?」
「まあ、そうなるじゃろうな。説明はこれからじゃ。」
校長はこう説明した。
①この鬼ごっこは、ルールはふやし鬼と同義である。
②鬼は、ハイレグ水着を着、『ハイグレ洗脳銃』を持つ。
③逃げる者を鬼はその銃でうつ。うたれた者は、ハイグレに目覚め、他の者をハイグレ姿にしていく。
④時間は5時間。逃げきった者にはほうびを与える。
⑤目的は、生徒の身体能力を調べ、向上させること。
「ということじゃ。」
「そ、そんな事させられません!」
「ほう、反抗するか。ならば――!」
と校長は、服を脱いだ。そこにあったのは、ピンクのハイレグに身を包んだ校長・タイシだった。
「な――!」
「さあ、先生方、まずはあなた方からだ――!」
と、タイシは銃を乱射した。
職員室は、奇みょうな姿と声に埋もれた――。
②開始〈AM8時50分〉
「――くそっ!古川先生が……!」
神宮寺は舌打った。そして立ち上がり、叫んだ。
「皆、この学校は危険だ!すぐに逃げ――」
『皆さん!おはようございます!』
その声は、そなえつけのテレビからした。
『これから、あるゲームのルールを説明します。』
「ねえ強?どうしたの?」
「古川先生から――通信が途絶えた。」
「え――それって――!」
「そう、何かしら、この学校に危険が迫っているんだ。」
神宮寺はとなりの席に座る、上田幸江からそう話しかけられた。
テレビは続く。
『そのゲームは……ハイグレ水着鬼ごっこ!』
とたんに学校中がドン引き、あるいは笑い出す。
『ルールを説明しましょう――。』
Side・真崎春子(中2-2)〈AM8:55〉
あたしは放送委員だ。今日の当番はこのあたし。大体、なんであたしが、こんなめんどーな事しなきゃいけないのよ!一時間目が始まるときに、放送室へ行ってチャイムの点検、だなんて、いやなのに……!
「優、もっと急いで!」
あたしはとなりにいるクラスメートでおなじ放送委員の須田優子に声をかける。
「う、うん!」
そうして放送室についたとき、中から、男の人の声がした。
ノックだけして、あたしがそこに入ると、木枯先生がいた。
「『ふふ、やはり来ましたね、まってました。』」
先生の前のマイクも、声を拾う。
でもそのよこに、カメラがある――。
「『皆さん、よく見ていて下さい。この銃を――。』」
皆さん、ということばに、あたしははっとした。そのカメラは、全校に映像を送っている!
優は先生にきく。
「先生、なんのことですか?!」
「『あなた達は見世物です。さあ、喰らえ!』」
先生はスーツの中からおもちゃの銃をとり出し、それをまず優子に向けた。
「え……なに……?」
次の瞬間、その銃から赤い閃光が迸った!
「きゃあああぁぁあぁぁ!!」
優子に命中したそれは、優子の体を包んだ。優子は大の字になる。
「優!」
「『ふふふ……!』」
するとどうだろう。
閃光が色を変え、青くなった。そしてそれがすぐに赤に戻ったとき――。
優子に異変が起きた。一瞬のことだったけど、何だか優子が水着を着ていたような……。
赤と青の点滅はつづく。そしてそれが晴れると、優子は制服を着ていない。かわりに着ているのは、黄緑一色の、腰まで切れ上がったハイレグの水着――。
「『皆さん、今のを見ましたか?この銃で撃たれると、このように男女問わずこの水着を着させられます。そして、このようになった人は、こうなります!』」
先生がいい終った瞬間、優子は目を開き、自分の異変を見た。信じられない、という顔をしたあと、両腕を震わしながら足の付け根、ハイレグの線にくっつける。
そしてなぜかガニ股となり――。
「ハ、ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!!」
と叫び出した。同時に腕を足の線の延長に引き上げ、戻し、また繰り返した。あたかもそれは、ビートたけしのコマネチのよう。
「優?!優子!」
あたしは優子に声をかける。だが優子は、こちらを向きさえしない。
「『今この子は、自分の中に入りこむハイグレ人間としての理性と戦っています。そしてそれに屈したとき――。』」
優子は今までよりもずっと大きく、
「ハイグレッ!!ハイグレッ!!ハイグレッ!!」
と叫んだ。手も大きく動いている。
「『この子はいま、その理性に負け、洗脳を受け入れました。これでハイグレ人間は誕生します。そしてそうなったハイグレ人間は、他の未転向者を襲い、仲間にしようとします。』」
優子がハイグレポーズをやめ、こちらを向いた。手にはすでに、先生と同じ銃――!
「ねえ、春子ちゃん……?春子ちゃんも、ハイグレ人間になろうよ?楽しいし、気持ちいいよ?」
優子はあたしに、その銃を向ける。
(あたしはいや。あんな切れ上がった水着をして、コマネチなんかできない!)
そんな心を知らずに、非情にも優子は引き金を引いた。
「いやああぁぁぁーーーーっ!!」
あたしは赤い閃光に当たった。途端に(ハイグレ)という言葉が脳内をかけめぐる!
赤と青の視界で、優子がまたハイグレポーズをとっている。
あたしは……そんなの受け入れない!
でも、その頭で分かっているが、体はそうはいかなかった。
ついた光が治った。身体の異和感に、下を見ると、私はとてもしめつけの強い赤いハイレグを着ていた。
「な……に……これ……っ!」
「それはハイグレ。春子ちゃんのこれからの姿――。」
優子がそう言う。でもあたしはこんなのすぐぬいでやる!
でも、足がガニ股になる。手を足のつけねにそえる。自分の意志ではないのに。そして――。
「ハイグレッ、ハイグレッ、ハイグレッ!」
あたしはさっきまで優子のやっていたポーズをとる。口もかってに動いて「ハイグレ」と言う。
(恥かしいっ!!)
でも、体はもう言う事を聞かない。
〈早くハイグレ人間になることを受け入れなさい……!〉
ふいにそんな声がきこえた気がした。
〈ハイグレ人間になれば、この苦しみから開放される。気持ちよくなるのよ……?〉
(いや、あたしは……!)
「ハイグレッ!!ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!!」
〈さあ……ハイグレに身をゆだねて――!〉
(もういや!苦しまないでいられるなら、あたしはハイグレ人間になる!)
そうして私はハイグレ人間を受け入れた。ユウコと同じ、ハイグレ人間・ハルコとなった。
「ハイグレッ!!ハイグレッ!!ハイグレッ!!」
「ふふ、ハルコもやっとハイグレ人間ね。ハイグレッ!ハイグレッ!」
「『どうですか!このすばらしい銃、すばらしいハイグレ!ということで、放送を終了させていただきます。最後に、このゲームは、AM10時開始です。AM10:05になるまで、教室から出てはいけません。5分間教室で待機です。その間に、学校中のいずれか2クラスに、この子たちが向かい、鬼にします。それでは、GOOD LUCK!』」
木枯先生は、通信を切った。そしてあたしたちに、あるクラスを耳打って、部屋から出た。
あたしは、ハイグレをして、先生を見送った。
Side・山田翔(小6-4)〈AM9:55〉
「チェッ!」
ゲームと聞いてテレビをずっと見ていたが、くだらない。
ハイグレなんてまっぴらだっとの。
でも……少し興味があるな……。
Side・上田幸江(高3-1)〈AM9:55〉
「ど、どうしよう強、始まっちゃうよ!」
私は強にそう言った。だけど、
「もうだめだ、どうにもならん。」
「そんな……。」
5時間もあったら、みんなやられちゃうよ……。
そして、AM10時。
チャイムが鳴った。
Side・矢口悠太(幼1-3)〈AM10〉
「始まっちゃった……。」
僕はそうつぶやいた。教室中は今、ハイグレのマネをする子がたくさんいる。浅内絵美ちゃんが、最初にやり始めたんだ。
「んもう。みんなやめようよ。はずかしいよ……。」
宮城楓ちゃんがそう言うけど、誰もきかない。ハイグレコールは、ろうかにもひびく。
すると、扉が開いた。そこにいたのは、黄緑のハイグレの中学生のお姉ちゃん。
「みんな、そんなにハイグレしたい?」
「うん!」「したい!」「オレにも撃ってぇ!」
ほとんどの皆がそういう。そうじゃなく、隅に逃げるのは、僕と楓ちゃんだけ。
「じゃ、みんな、いくよ? えい、えい、えい!」
「きゃあああっ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「うわあっっ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「やぁぁあんっ!ハイグレッ、ハイグレッ」
教室には、色とりどりのハイグレと、友達の声がする。そうして、希望者全員が、ハイグレ姿になってしまった。
「「「「ハイグレッ!!ハイグレッ!!ハイグレッ!!」」」」
「さて、残ったのはあなたたちだけね?」
「いや!わたしはいやよ!そんなのやだからうたないで!」
「そ、そうだ!僕もいやだ!」
二人でお姉ちゃんを説得する。だけど、
「いや、ね。でもね、これに撃たれると、そんな事、思わなくなるよ?」
「でもいやなの!」楓ちゃんは泣き出してしまった。
「うーん。しょうがない。まずは君からだよ!?」
お姉ちゃんは僕にそれを向け、うった!
「う、うわぁぁぁぁぁぁっ!!」
(ちくしょう……!こんなの着るのかよ……!)
「ハ、ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「悠くん……?悠くんまでハイグレに……!?」
ごめん……。でも、もうだめだ。ぼくも……ハイグレ人間になるよ……!
「ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレ!ほら、楓ちゃんもやろうよ!」
僕は――ハイグレ人間ユウタは、楓ちゃんにハイグレをすすめる。
ユウコお姉ちゃんが、いやがる楓ちゃんを、救ってあげた。
「きゃああっ!ハイグレ、ハイグレ、ハイグレェッ……!」
幼1-3、ハイグレ人間化終了。
Side・ユウタ(矢口悠太)〈AM10:04〉
ハイグレ人間になった皆と相談して、まずは隣のクラスをハイグレ化させることにした。
僕とエミ(浅内江美)とカエデ(宮城楓)とケント(桜井賢人)で、1-4を、他のみんなで、他のこのフロアを全て、となった。みんなの手にはハイグレ銃がある。
「よし、いくぞ!」
「「「ハイグレッ!」」」
ガラ、と扉を開けると、1-4のみんなが驚いた顔でこっちをみる。そこでカエデが説明。
「みんな聞いて?わたしたちは、神聖なハイグレ人間です。そんな服はぬいで、早くハイグレ姿になってね?」
「やるぞ!」
パシュッ!バシュッ!
「うわぁぁっ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「みんな、早く逃げ――あああっ!ハイグレッハイグレッ!」
「ハイグレッハイグレッ!」
「しっかりして!京ちゃ――きゃああ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「ヤ、ヤだよおっ!うわあああっっっ!!ハイグレッ!ハイグレッハイグレッハイグレ!」
ものの数十秒で、ほとんどの人達が、転向完了した。すでに何人かは洗脳もおわった。
最後に残ったのは内気で有名な田辺満。
「満、きみもハイグレしよう!?」
「え、わぁぁ。」
満は避けるそぶりもないままにハイグレを着た。ピンクは男にはめずらしい。
「ハイグレ。ハイグレ。ハイグレ。」
ミツルははずかしそうにひかえめにハイグレする。でも僕はそれを許さない。ミツルの後ろに回って、手をもってハイグレさせた。
「こうやるんだ!――ハイグレッハイグレッ!」
「ヒャッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
そしてミツルも、ハイグレのトリコとなり、ハイグレを繰り返した。
幼1-4、ハイグレ人間化終了。
――――
ごめんね、ここまでしかかけてないんだ……
でもどうだった? おもしろかったらいってね!
(※この記事は2018年4月1日に公開されたものです)
(ここからは2018年4月2日に公開されたものです)
久々の目次
・上の黒歴史について
・初心者(ハイグレ)小説書きにありがちなこと7選
・前回のアンケートについて
ぼくね、はじめてしょうせつかいてみたの!
まだとちゅうなんだけど、がんばったからよんでよんで!
序章 ~会話~
二人の男が、校舎内にて話し合う。
「――を――に対して――るのはいか――うか?」
「ほほう、それはいい。では明日の午前10時に計画開始だ――!」
一回目 ~水着~
①先生方。
「それでは、私はこれで。」
小学一年三組の担任、木枯は、朝の会が終わった8時40分に、職員室に引き上げた。
ろうかを歩きながら、木枯はにやりと笑った。
「おお木枯先生。」
「おはようございます、校長。」
「さあ、こっちへ。」
校長にうながされ、木枯は校長室に入った。
「さて、そろそろ先生達が全員こちらへ来るだろう。君は『アレ』の準備を。」
「はい。では放送室に行ってます。」
「校長!どうしたんですか!?」
「おお、皆そろったか。では説明しよう。」
――これからするのは、『ハイグレ水着鬼ごっこ』というものじゃ――
「は、ハイグレぇ?なに言ってんすか?」
「まあ、そうなるじゃろうな。説明はこれからじゃ。」
校長はこう説明した。
①この鬼ごっこは、ルールはふやし鬼と同義である。
②鬼は、ハイレグ水着を着、『ハイグレ洗脳銃』を持つ。
③逃げる者を鬼はその銃でうつ。うたれた者は、ハイグレに目覚め、他の者をハイグレ姿にしていく。
④時間は5時間。逃げきった者にはほうびを与える。
⑤目的は、生徒の身体能力を調べ、向上させること。
「ということじゃ。」
「そ、そんな事させられません!」
「ほう、反抗するか。ならば――!」
と校長は、服を脱いだ。そこにあったのは、ピンクのハイレグに身を包んだ校長・タイシだった。
「な――!」
「さあ、先生方、まずはあなた方からだ――!」
と、タイシは銃を乱射した。
職員室は、奇みょうな姿と声に埋もれた――。
②開始〈AM8時50分〉
「――くそっ!古川先生が……!」
神宮寺は舌打った。そして立ち上がり、叫んだ。
「皆、この学校は危険だ!すぐに逃げ――」
『皆さん!おはようございます!』
その声は、そなえつけのテレビからした。
『これから、あるゲームのルールを説明します。』
「ねえ強?どうしたの?」
「古川先生から――通信が途絶えた。」
「え――それって――!」
「そう、何かしら、この学校に危険が迫っているんだ。」
神宮寺はとなりの席に座る、上田幸江からそう話しかけられた。
テレビは続く。
『そのゲームは……ハイグレ水着鬼ごっこ!』
とたんに学校中がドン引き、あるいは笑い出す。
『ルールを説明しましょう――。』
Side・真崎春子(中2-2)〈AM8:55〉
あたしは放送委員だ。今日の当番はこのあたし。大体、なんであたしが、こんなめんどーな事しなきゃいけないのよ!一時間目が始まるときに、放送室へ行ってチャイムの点検、だなんて、いやなのに……!
「優、もっと急いで!」
あたしはとなりにいるクラスメートでおなじ放送委員の須田優子に声をかける。
「う、うん!」
そうして放送室についたとき、中から、男の人の声がした。
ノックだけして、あたしがそこに入ると、木枯先生がいた。
「『ふふ、やはり来ましたね、まってました。』」
先生の前のマイクも、声を拾う。
でもそのよこに、カメラがある――。
「『皆さん、よく見ていて下さい。この銃を――。』」
皆さん、ということばに、あたしははっとした。そのカメラは、全校に映像を送っている!
優は先生にきく。
「先生、なんのことですか?!」
「『あなた達は見世物です。さあ、喰らえ!』」
先生はスーツの中からおもちゃの銃をとり出し、それをまず優子に向けた。
「え……なに……?」
次の瞬間、その銃から赤い閃光が迸った!
「きゃあああぁぁあぁぁ!!」
優子に命中したそれは、優子の体を包んだ。優子は大の字になる。
「優!」
「『ふふふ……!』」
するとどうだろう。
閃光が色を変え、青くなった。そしてそれがすぐに赤に戻ったとき――。
優子に異変が起きた。一瞬のことだったけど、何だか優子が水着を着ていたような……。
赤と青の点滅はつづく。そしてそれが晴れると、優子は制服を着ていない。かわりに着ているのは、黄緑一色の、腰まで切れ上がったハイレグの水着――。
「『皆さん、今のを見ましたか?この銃で撃たれると、このように男女問わずこの水着を着させられます。そして、このようになった人は、こうなります!』」
先生がいい終った瞬間、優子は目を開き、自分の異変を見た。信じられない、という顔をしたあと、両腕を震わしながら足の付け根、ハイレグの線にくっつける。
そしてなぜかガニ股となり――。
「ハ、ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!!」
と叫び出した。同時に腕を足の線の延長に引き上げ、戻し、また繰り返した。あたかもそれは、ビートたけしのコマネチのよう。
「優?!優子!」
あたしは優子に声をかける。だが優子は、こちらを向きさえしない。
「『今この子は、自分の中に入りこむハイグレ人間としての理性と戦っています。そしてそれに屈したとき――。』」
優子は今までよりもずっと大きく、
「ハイグレッ!!ハイグレッ!!ハイグレッ!!」
と叫んだ。手も大きく動いている。
「『この子はいま、その理性に負け、洗脳を受け入れました。これでハイグレ人間は誕生します。そしてそうなったハイグレ人間は、他の未転向者を襲い、仲間にしようとします。』」
優子がハイグレポーズをやめ、こちらを向いた。手にはすでに、先生と同じ銃――!
「ねえ、春子ちゃん……?春子ちゃんも、ハイグレ人間になろうよ?楽しいし、気持ちいいよ?」
優子はあたしに、その銃を向ける。
(あたしはいや。あんな切れ上がった水着をして、コマネチなんかできない!)
そんな心を知らずに、非情にも優子は引き金を引いた。
「いやああぁぁぁーーーーっ!!」
あたしは赤い閃光に当たった。途端に(ハイグレ)という言葉が脳内をかけめぐる!
赤と青の視界で、優子がまたハイグレポーズをとっている。
あたしは……そんなの受け入れない!
でも、その頭で分かっているが、体はそうはいかなかった。
ついた光が治った。身体の異和感に、下を見ると、私はとてもしめつけの強い赤いハイレグを着ていた。
「な……に……これ……っ!」
「それはハイグレ。春子ちゃんのこれからの姿――。」
優子がそう言う。でもあたしはこんなのすぐぬいでやる!
でも、足がガニ股になる。手を足のつけねにそえる。自分の意志ではないのに。そして――。
「ハイグレッ、ハイグレッ、ハイグレッ!」
あたしはさっきまで優子のやっていたポーズをとる。口もかってに動いて「ハイグレ」と言う。
(恥かしいっ!!)
でも、体はもう言う事を聞かない。
〈早くハイグレ人間になることを受け入れなさい……!〉
ふいにそんな声がきこえた気がした。
〈ハイグレ人間になれば、この苦しみから開放される。気持ちよくなるのよ……?〉
(いや、あたしは……!)
「ハイグレッ!!ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!!」
〈さあ……ハイグレに身をゆだねて――!〉
(もういや!苦しまないでいられるなら、あたしはハイグレ人間になる!)
そうして私はハイグレ人間を受け入れた。ユウコと同じ、ハイグレ人間・ハルコとなった。
「ハイグレッ!!ハイグレッ!!ハイグレッ!!」
「ふふ、ハルコもやっとハイグレ人間ね。ハイグレッ!ハイグレッ!」
「『どうですか!このすばらしい銃、すばらしいハイグレ!ということで、放送を終了させていただきます。最後に、このゲームは、AM10時開始です。AM10:05になるまで、教室から出てはいけません。5分間教室で待機です。その間に、学校中のいずれか2クラスに、この子たちが向かい、鬼にします。それでは、GOOD LUCK!』」
木枯先生は、通信を切った。そしてあたしたちに、あるクラスを耳打って、部屋から出た。
あたしは、ハイグレをして、先生を見送った。
Side・山田翔(小6-4)〈AM9:55〉
「チェッ!」
ゲームと聞いてテレビをずっと見ていたが、くだらない。
ハイグレなんてまっぴらだっとの。
でも……少し興味があるな……。
Side・上田幸江(高3-1)〈AM9:55〉
「ど、どうしよう強、始まっちゃうよ!」
私は強にそう言った。だけど、
「もうだめだ、どうにもならん。」
「そんな……。」
5時間もあったら、みんなやられちゃうよ……。
そして、AM10時。
チャイムが鳴った。
Side・矢口悠太(幼1-3)〈AM10〉
「始まっちゃった……。」
僕はそうつぶやいた。教室中は今、ハイグレのマネをする子がたくさんいる。浅内絵美ちゃんが、最初にやり始めたんだ。
「んもう。みんなやめようよ。はずかしいよ……。」
宮城楓ちゃんがそう言うけど、誰もきかない。ハイグレコールは、ろうかにもひびく。
すると、扉が開いた。そこにいたのは、黄緑のハイグレの中学生のお姉ちゃん。
「みんな、そんなにハイグレしたい?」
「うん!」「したい!」「オレにも撃ってぇ!」
ほとんどの皆がそういう。そうじゃなく、隅に逃げるのは、僕と楓ちゃんだけ。
「じゃ、みんな、いくよ? えい、えい、えい!」
「きゃあああっ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「うわあっっ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「やぁぁあんっ!ハイグレッ、ハイグレッ」
教室には、色とりどりのハイグレと、友達の声がする。そうして、希望者全員が、ハイグレ姿になってしまった。
「「「「ハイグレッ!!ハイグレッ!!ハイグレッ!!」」」」
「さて、残ったのはあなたたちだけね?」
「いや!わたしはいやよ!そんなのやだからうたないで!」
「そ、そうだ!僕もいやだ!」
二人でお姉ちゃんを説得する。だけど、
「いや、ね。でもね、これに撃たれると、そんな事、思わなくなるよ?」
「でもいやなの!」楓ちゃんは泣き出してしまった。
「うーん。しょうがない。まずは君からだよ!?」
お姉ちゃんは僕にそれを向け、うった!
「う、うわぁぁぁぁぁぁっ!!」
(ちくしょう……!こんなの着るのかよ……!)
「ハ、ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「悠くん……?悠くんまでハイグレに……!?」
ごめん……。でも、もうだめだ。ぼくも……ハイグレ人間になるよ……!
「ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレ!ほら、楓ちゃんもやろうよ!」
僕は――ハイグレ人間ユウタは、楓ちゃんにハイグレをすすめる。
ユウコお姉ちゃんが、いやがる楓ちゃんを、救ってあげた。
「きゃああっ!ハイグレ、ハイグレ、ハイグレェッ……!」
幼1-3、ハイグレ人間化終了。
Side・ユウタ(矢口悠太)〈AM10:04〉
ハイグレ人間になった皆と相談して、まずは隣のクラスをハイグレ化させることにした。
僕とエミ(浅内江美)とカエデ(宮城楓)とケント(桜井賢人)で、1-4を、他のみんなで、他のこのフロアを全て、となった。みんなの手にはハイグレ銃がある。
「よし、いくぞ!」
「「「ハイグレッ!」」」
ガラ、と扉を開けると、1-4のみんなが驚いた顔でこっちをみる。そこでカエデが説明。
「みんな聞いて?わたしたちは、神聖なハイグレ人間です。そんな服はぬいで、早くハイグレ姿になってね?」
「やるぞ!」
パシュッ!バシュッ!
「うわぁぁっ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「みんな、早く逃げ――あああっ!ハイグレッハイグレッ!」
「ハイグレッハイグレッ!」
「しっかりして!京ちゃ――きゃああ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
「ヤ、ヤだよおっ!うわあああっっっ!!ハイグレッ!ハイグレッハイグレッハイグレ!」
ものの数十秒で、ほとんどの人達が、転向完了した。すでに何人かは洗脳もおわった。
最後に残ったのは内気で有名な田辺満。
「満、きみもハイグレしよう!?」
「え、わぁぁ。」
満は避けるそぶりもないままにハイグレを着た。ピンクは男にはめずらしい。
「ハイグレ。ハイグレ。ハイグレ。」
ミツルははずかしそうにひかえめにハイグレする。でも僕はそれを許さない。ミツルの後ろに回って、手をもってハイグレさせた。
「こうやるんだ!――ハイグレッハイグレッ!」
「ヒャッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」
そしてミツルも、ハイグレのトリコとなり、ハイグレを繰り返した。
幼1-4、ハイグレ人間化終了。
――――
ごめんね、ここまでしかかけてないんだ……
でもどうだった? おもしろかったらいってね!
(※この記事は2018年4月1日に公開されたものです)
(ここからは2018年4月2日に公開されたものです)
久々の目次
・上の黒歴史について
・初心者(ハイグレ)小説書きにありがちなこと7選
・前回のアンケートについて